不思議を解決するならここへ
@saihimayushima
プロローグ
都会から少し外れた、田舎とまではいえない静かな場所。
程よい緑に囲まれた木造の平屋。朝日が上る時間に合わせて、玄関が開く。
ひょろりとした薄い体に、黄金色をした細縁フレームの眼鏡をした青年が眠そうな目を擦りながら出てくる。
朝日がキラキラと反射する黒髪をはらうと、立てかけていた箒で落ちている葉を掃き出している。
黙々と履いていると後ろからサクサクと草を踏む音がした。
「よぉ、毎朝精が出るな」
振り返るとよく知る顔がニコリと笑う。
「玉木の婆さんから、卵もらったぞ。この間の礼だと」
嬉しそうに卵が入った袋を顔まで持ち上げ見せてくる。
「おはよう。もうすぐ終わるので、縁側で待ってて」
「あい、わかった」
鼻歌まじりに縁側に向かう背中を見やる。
黒髪の青年、もとい瀬田清守は集めた落ち葉をまとめるとその背中を追いかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます