第2話「仲尾サクヤと」
「メールは5分以内に返して!!」
彼女[
サクヤは高校からの下校中、歩きながら、話しながら、メールを打っていた。
※歩きスマホは止めましょう、特に相手が隣に居る時は無意味に思われます。
「無理だよサクヤちゃん、1分ごとにメール来るんだから」
不可能である、隣をお歩きになっている彼[
「どうして返せないの?可能な筈よ!!」
サクヤは真顔でそう言った。
「わからないの?サクヤちゃん」
サトルにしてみれば当然である、サクヤは1日288件(24時間×60分÷288件=5分平均)超えるメールの雨を降らせて来るのだ。
いつ寝るの?
「ワタシの事愛して無いの?!!」
愛が有れば不可能は無いがサクヤのもっとうだ。
「あい…してる………けど………」
ここでハッキリしておこう、相田サトルは仲尾サクヤを愛していない!!
どう言う事?
読者様に置かれましては当然の疑問であろうが経緯はこうである、相田サトルと仲尾サクヤは幼馴染みであり家が近所と言う事もあり小さな頃より仲がとてもよかった、しかしある時期を境に彼女、サクヤの態度は激変する、そう発情期!…………失礼、第二次成長期である、サクヤは大人への階段を登る度、幼馴染みから束縛系彼女へと進化?もしくはジョブチェンジしたのだ。
クラスアップでも可!!
「そうよサトル君はワタシの事アイシテイルノダカラ、ワタシに朝起きたらメールしたり、「朝ごはんナニ?」ってメールしたり、一緒に登校したりメールしたり、授業受けたり授業中メールしたり、お昼一緒に食べたりメールしたり、体育の授業覗きに行ったりメールしたり、下校したりメールしたり、「夕ごはんナニ?」ってメールしたり、今お風呂ってるってメールしたり、「今どこ洗ってる?」ってセクハラしたり、寝る前に2時間くらいメールしたり、「寝てる?」ってメールしたり、休みの日にデートしたりメールしたり、親戚の葬儀だって嘘ついて学校休んでデートしてメールしたり、映画観てる時メールしたり、メリーゴーランドでメールしたり、観覧車でメールしたり、ジェットコースターでメールしたりしたいものでしょ!」
そもそも授業中はメールしないで!そして映画館は他のお客様に迷惑なので止めてください、メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースターはメール必要?そしてジェットコースターでのメールは危ないのでご遠慮いただきたい、さらにデートしたいからって何人も親戚の人を殺さない!みんな元気だから!!
「そ、そうだね……サクヤちゃん」
サトルはもはや言葉のサンドバッグである。
「でしょ、やっぱりワタシが一番よね!だってかわいいし(昔無理やり言わされた)、いつも「愛してる」って言ってくれるし(言わないと言うまで聞いて来ます)キスとかしてくれないのも大切にしてるからなんだよね!(既成事実は死んでも作りません!)」
……………………………………………。
「だからしませんって!」
さっきから仲尾サクヤは目を閉じてタコみたいな口をしています。
「………………ねえサトル、ワタシ彼女よね」
サクヤは足を止め真っ直ぐ前を向いたまま聞いて来る。
「そう……だ…ね…」
違います!そう言わないとあとで彼と彼女の家族および親戚一同を巻き込み酷い事になります(過去に実害あり)。
「じゃあの女は何?」
「女???」
その時まで相田サトルに彼女に対する意識は無かった、と言うよりサトルは今まで出来る限り女性に近付かない様に気をつけていた、なぜなら嫉妬の業火を燃やしその地獄の悪鬼羅刹の様な想いを
「今ずっと後ろをついて来てるストーカー女の事よ!」
「ストーカー?」
サトルは瞬間振り返る。
「……!!」
何か凄い勢いで電柱の影に隠れたのってクラスメイトの[
「そうよ、あの女5年も前からサトル君の事ストーカーしてたの」
「………?」
サクヤちゃん?それもっと早く教えようか。
「でも最近あの女粗が目立つの、もしかしてサトル君に気づかれようとしてるのかも、折角ワタシとサトル君のイチャラブ学園生活の生き証人として泳がせてやっていたのに……あの女の羨ましそうな顔がたまんなかったのにぃ!!!」
「最低のセンスだねサクヤちゃん」
「何?あの女の味方すんの?!」
「そっ、そんな事言って無いでしょ?」
「おのれストーカー犯罪者女め、5年も大目に見てやったのにこの恩知らず、もう5分も我慢できないわ!」
「いや5年黙認してたなら、もう少し穏便に……」
「またストーカーの味方?あの女本当に絶対許さん、マジコロシマス!!」
何か本気で殺りかねないので取り敢えず止めてみる。
「殺しちゃダメだよサクヤちゃん」
「サトル君は優しいね、ワタシの事心配してくれて❤️ワタシ、何とか殺さない様に我慢してみるわ❤️」
❤️の絵文字が台詞とあって無いと思いつつサトルはつい考えてしまう、束縛系幼馴染みが長期ストーカークラスメイトを殺って刑務所に入れば自由になれるんじゃ……。
いやムリ!!重すぎますその人生!!!
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