第32話 地方領主 大魔族イーリスⅡ

地方領主【エリシエル】は演者である、

智の化身や賢王など

周りからは無駄に高く評価され過ぎている、

それを演じているだけなのだが・・・


貴族の子弟を集めた学校で

イーリスが中心に行くリア充とすると


日陰を歩く勉強だけの非リア充

趣味や研究のオタクである


家柄や今までの長年の功績により

そういうものだと勝手にされてきた、


世の処世術的の為に仮面を作り

表情を動かさない冷血感

常識的意見や前例の法律で理論武装

都合次第で国民感情すら利用して

物事を押し通し、相手の意見を粉砕する!


何もしなければしないで勝手に

深い考えがあると恐れられ


どういう思考で動いているのか

読まれていない


(実際は怠い!早く議会は終わらないか

こんな議論意味があるのか)


(早く帰って趣味の時間が欲しい

此処は時間の浪費だ!)


ふと目があっただけで相手は恐れる

昔議会で魔法が暴発して暑苦しくてやかましい

【王族を氷漬け】にして黙らせてから

情け容赦ない『氷煉の女』嫌な渾名である



憧れで生きる希望の美の化身

『貴公子 魔王アーク様』そのことだけを考え

脳内麻薬を発生させひたすらに責務を

こなしてきたのだが・・・


謎の死や失踪が話題になり

生きる希望、全てのやる気が失せている


そこに厳重な蜜蝋の手紙が届く

蝋へのスタンプ紋様が

先代魔王アーク様


「馬鹿な!」

これは生涯の宝物レベル

内容は・・・




私は訳あって身を隠している

今の魔王に敗れての下克上な訳ではなく

あえて魔王を譲りくれてやった!


闇の中から人間の支配計画をしている

もしよければ優秀な貴方も私の麾下に

馳せ参じてくれないか?


誠に身勝手な文書とは思うが

心に留めておいて欲しい!



私の麾下に!

直属の配下親衛隊!

はわわわ

私程度で大丈夫なのか?!


近場で横顔など見たら

鼻血出して卒倒して倒れる恐れもある

ついに頭がおかしくなり

幻覚でも見ているのか



扉をノックする音が


「なんか使者の方が訪れてますが

追い払いますか?」


「アポなしとは無礼にも程がある!」


「まてーい」

まかり間違って手紙の関係者だと

門前払いは不味すぎる!


「いいから通せ!」


イケメンの執事が訪れる

あれは16魔将の一人?


訝しんだら

何故か紙に書いて筆談!


主人さまからの手紙を見ましたか?


「アークさ・・・」

「シーッ!」


紙にサラサラ文字を書き


この情報秘匿できないなら

今すぐ帰ります!


此処では話せない話なので

ついてきてください!

座標が既にくんである転移札を見せられる


エリシエルは涙目になり必至にしがみつく!

「乙女には準備に時間がかかるのです!」

「せめて2時間、いや1時間時間をください」

ため息を吐きつつ

「30分待ちましょう」


そこからは戦場だった!

からすのぎょうずいのような湯浴み

慌てて髪や身体を、乾かしつつ化粧や香水

ドレスはどれを着ていけば・・・

こんなことなら

糸目をつけずいくらでも揃えておくんだった!

髪飾りとか女の武装を選ぶ時間すらない!


ノックが響き、「時間切れです!」


「なんか頭に刺さってますよ・・・」

慌てて刺してしまった

血塗られた洒落た髪留めを引き抜き

投げ捨てるエリシエル


転移札での問答無用での移動になる


☆★☆★


質素で洒落た洋館

アークさまの別荘?!


連れて参りました!


紛れもなくあの御尊顔は【アーク様】

いきなりフラフラ倒れそうになり

例の魔将に助けられる


「そんなに驚いたか悪いことをした!」


「とんでもない、もったいなきお言葉」


「話がある、私が入れた紅茶でも

飲みながら聞いてくれ」


(アーク様の入れた紅茶だと?!

もう、人生に悔いなし!冥土の土産にしよう)


真面目な話がくる、

氷の仮面を4重にはめて

普段の私に戻らねば!


「端的に概要を言おう、

既に人間の支配はほぼ完了した!」


(馬鹿な!と思いいつ)


一般論で跳ね返す

「何を持って人間の支配の完了と

言うのですか?」


「絶滅戦争や人間を奴隷や家畜にしてこそ」

「支配の完了ではないのですか?」


「そうだな、まず敵の概念、仇敵は?」

「魔族の脅威になる、聖なる聖王国」

「これがある限り・・・」


アーク様は小型のビホルダーカメラで撮った

写真を数枚滑らせてくる!


教皇や枢機卿や大司祭幹部の死体の写真

(馬鹿な!では誰が運営している?!)


人間の唯一の脅威の国は

【既に壊滅】しているのか?


「イーリスの国の富の集積はおかしいとは

思わなかったのか?」


「敵の国から資金を吸い上げている

不満も反感もなく順調に」


(戦争をせずに既に統治下に入っていると

言うのか?!そんなことが可能なのか?)


「聖王国を侵略拠点として水面下からの支配」

「まさか教会の情報網、

布教教えを逆手に?!」


(テレビや放送局に当たるところを既に支配)

恐ろしいお方だ!私程度の知謀では追いつけず

既に短期間でここまで実行を)


「でだ、お前にしてもらいたいことは・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る