第16話 のじゃと10歳の姫君

我は懐柔されたわけでは無いぞ!

我は懐柔されたわけでは無いぞ!


大事なことなので二度思いながら!

ワンコことフィーリルは

姫さまが押し付けてくる

お菓子を黙ってモサモサ食べている!


べっべつに!

お菓子のために身代わりしたんじゃ

無いんだからね!


どうしてもっていうから仕方なしに!

そこんとこ勘違いしないでね

恥ずかしいんだから・・・


自己弁護しつつ

ツンデレているフィーリル


そこまでは良かった!

お菓子食って一眠りして寝過ごし慌てて

位置替えで空間を渡り帰還したのだが


姫ちゃんがしがみついて寝ていることに

気づいてなかった!



珍しいものが坂本ハウスに来てしまったので

のじゃたちが集まり騒ぎだす!


「のじゃ?」

「のじゃのじゃ」


同じぐらいの大きさの女の子

6人ののじゃの精霊が実体化して

寝ている姫をツンツンつついている


「のじゃ?!」

頭にティアラをつけている事に気が付き

同類の仲間と判断!


フィーリルは面倒なものを連れてきてしまった

早く返さねばと思いつつ


目を覚まして驚いてのじゃから逃げてきて

私にしがみつく


面倒を見る気もないんで

知らんがな・・・


放置していたらそのうち

のじゃとの意思の疎通を果たしたのか

一緒に走り回って遊んでいる

魔法の水鉄砲で追いかけたり

追いかけ回されたりしてる


その頃、位置替えした

城に居る分体が姫の失踪騒ぎを聞きつけて


「姫様がいない!」

「一大事だ!魔王に攫われたに違いない!」

「戦争じゃー」


慌てて姫を捕まえて帰還

事なきを得たのだが・・・


のじゃたちの中で少し早く産まれた

『のじゃリーダー』の頭には

姫様のプラチナの宝石が散りばめられた

ティアラが・・・


面白そうに主人の坂本魔王さんは

ことの成り行きを見ていたようで


のじゃの入れ替わった

ティアラをの方がそんな【鉄屑】より!

【遥かに価値が高い!】

のじゃが身体の一部で編んで作っている


価値観的にそういう問題ではないだろと

フィーリルは思うが黙って拝聴する!



★★★★


帰った姫ちゃまは

家庭教師により

イヤイヤ魔法の習い事を受けている

今日は水の魔法の・・・



習う前にのじゃたちから覚えた

本家の大自然の四大精霊

ウィンディーネどころか

『水の女帝』 アクアエンプレス

そこから引き出して


黒魔術とは別の次元のもので

苦労して招いた大魔導師の先生に

ぶちかます!


「いや〜」


【のじゃのティアラ】がやばかった

並のブースターロッドでは済まない性能

自然魔法の威力を100倍まで引き上げる


全ての属性の加護が常時発動


水や大地の力でHP生命力MPマジックポイント

常時回復!即死しない限り

死なないヒーリングゾンビ


風の力で敏捷性や移動速度アップ


火属性は能力値ブースト

【オール1000】


大魔導師の先生は慣れたもので

即時に結界を張って防ごうとするが・・

「な!!」

「ドラゴンのブレスすら防げるはずが・・」


あまりの水圧に吹き飛ばされてそのまま

空の彼方の空のお星様と化す!


魔法の防御のある空間のはずが!

易々と打ち破り城が水没の騒ぎになる


城や城下町は大迷惑だが

ちょうど日照りが続いていたので


城壁の外の食糧生産の周りの村からは

恵みの水として勝手に崇められる事になる

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