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「ねえ」
「うわっ」
「なんで隠れるのよ。入学式。見てたよ?」
「いや、ごめんなさい。あなたの身辺をざわつかせてしまった」
「なにが?」
「恋人がいるって、聞こえたから」
「うん。いる」
「あなたの恋人だから、きっと良い人なんだろうなあ」
「うん」
「写真。見ましたよ。僕ばっかり撮って」
「部室にあるものを撮ってるって言ったじゃない」
「僕も部室にはまあ、いましたけども」
「入学おめでとう。がんばったね。同じ学部」
「あなたに逢いたくて、がんばりました。もう遅いですけどね」
「なにが?」
「派手に首席で入学して、あのときできなかった告白を、って思ったのに。首席じゃなかったし」
「なによ」
「あなたの撮った写真。見て、がんばってました」
「わたしのフォルダ」
「大丈夫です。消しておきます」
「そっか。もう必要、ないもんね」
「じゃあ、ここで。あなたに逢えて、良かったですよ僕は」
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