指南5 「女は体を大事にしろ」とは

 よく聞く言葉。健康という意味ではなく貞操のこと。「『女は』体を大事にしろ」。この『女は』って部分に違和感を持つ人も多いのではないだろうか。そりゃ妊娠の危険性があるのは女だけだが、男女共に命にも関わるような性病に罹患する危険だってある。この発言の裏側には何があるかを探っていきたい。


 まずは男は無責任でありたいという願望だろう。自分の身は自分で守れとあたかも自己責任論かのように見せかけている。実際は男もそこに介在しているが責任を取りたくないという何とも身勝手な考え。「自分の体を大事にしない女が悪い」と思いたがるのだ。特に好きでもない相手が誤って妊娠した時に彼らの無責任さはいかんなく発揮される。

 次に相手の女の子に対して逆に好意を持っている場合だ。他の男に体を許してほしくない、怖い目に合わせたくない。「女は」と女性全体論を語っているようで実際のところ仲のいい女性のみに当てはまる話になる。これは女性が同じ女性に言う「女は体を大事にしなさい」と同じ意味を持つ。


 さて、「女は体を大事にしろ」という発言の裏側を紐解いた。ここからは恋愛的な視点で見ていこうと思う。


 男は狩猟本能をくすぐられることで女に夢中になる生き物である。とするなら「体を大事にする女」はなかなか手に入らない分男には魅力的に映る。ある意味で無自覚に「女は体を大事にしろ」と本人達の願望を口にしているのだ。そもそも妊娠した際に女性は誰と体を重ねたかわかっているので誰の子供か検討がつくが、男性が相手の女性の子供が誰の子供か知るにはDNA鑑定に頼るしかない。托卵を避けることを本能的に望む点からしても身持ちの固い女というのは好印象だ。股が緩い女の方がチヤホヤされやすいが、それは性的欲求を手軽に満たせるからであって、印象が良いか、本当に愛しているか、責任を取る気はあるのか、と問われると否定されるはずだ。

 一方で「絶対に手に入らない女」ほど彼らにとって狩猟本能をくすぐられない存在もない。手に入らないなら追いかける意味も無く、女としての魅力も感じないのだ。つまり、「体を大事にする」が、「手に入りそうな隙のある」女が彼らの望んでいる理想の女性像となる。


 愛されたいのなら素直に体を大事にするのも1つの手である。そして隙を作ること。


 「女は体を大事にしろ」は1つの愛され戦略でもあるのだ。

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