第23話 ファルコンと桂里奈

 神崎は白河桂里奈を見た。

 桂里奈としては、セイヤの言うように、いきなり入った部屋に探していた猫がいて、もしかしてこの神崎という男はすごいのかもしれないと思っていたところ、「おっぱい」がどうとか言い出したので、ちょっと戸惑っていたところであった。


 神崎は白河桂里奈に近寄った。

 桂里奈は目をそらした。


「君の力を借りたい」

「どういうことでしょうか?」

「ああ、君は異世界の少女だというのに、異界の生き物を見ることもその声を聞くこともできない」

「意味がわかりません。私は異世界の少女ではありません」


 神崎は深く頷き、「わかっている」と言った。

 何が「わかっている」のだろうか? 桂里奈は「この男、言葉が通じない」と思った。


 神崎は「すまない」と言い、白河桂里奈の手を掴んだ。

 見つめられると目をそらす彼女であったが、手を掴まれても拒否の仕草はしなかった。


 そして、神崎は白河桂里奈の手をファルコン型生命兵器の上にのせた。


「これは? この柔らかいものは……おっぱい?」

「いや、おっぱいではなく、ファルコン型生命兵器だそうだ」


 ファルコン型生命兵器は「ああ、あなたは!」と言った。

 ファルコンの思念が白河桂里奈に伝わる。


「えっ? 何?」

「(おっぱい指数を計測します。あなたは『おっぱい指数θ999.98』……)」

「おっぱい指数?」

「(この世界に、おっぱい指数θ900を超える人間がいるとは!)」

「どっ、どういうこと?」

「(あまりにも危険です)」


 よく分からないが、ファルコン型生命兵器は驚愕していた。

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