第22話 ファルコン型生命兵器
神崎は男の頭を強く殴った。
その一発で男は失神する。
猫がニャアと鳴いた。
「兄貴、猫っすよ、この猫もしかして……」
3つの檻に猫がそれぞれ入れられていた。
おそらく、探していた猫たちだろう。
「さすが兄貴っすね、いきなり入った部屋に探していた猫がいるとは!
どうして、ここが犯人の家だと分かったんすか?」
セイヤの後ろにいる白河桂里奈も驚いた顔をしている。
「セイヤ、今は猫よりおっぱいだ」
「おっぱい?」
「ああ、おっぱいだ」
そう言うと、神崎は男の手をおっぱいからどかす。
「助けて頂いてありがとうございます。
あなたは私の声が聞こえるのですね」
おっぱいは神崎に言った。
「ここは空間軸α4816、時間軸β5344、地球という星……
私はおっぱいでなくファルコンと申します」
「ファルコン?」
「はい。正式にはファルコン型生命兵器と呼ばれているものです」
「言っていることがよく分からないが……」
おっぱいが自分は生命兵器だと言っているのである。
異界の生き物を見ることのできる神崎としても、初めての体験であった。
「この時代にはまだ、生命兵器が存在していないのですね。
ご理解頂けなくて当然かと思います」
ファルコンは申し訳なさそうな声音で「どなたか私を装着して頂けないでしょうか?」と言った。
「装着?」
「はい。ファルコン型生命兵器は、通常は人間型の生命体が装着するものなんです」
つまり、このおっぱいに見えるものを身に着けるということだろうか。
神崎はさすがに自分が装着することには
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます