花田植え

中川クレイ

第1話

僕は知的障害者と呼ばれています。

で施設で働くようにならないといけないそうです。本当は、自動車の整備士になりたいんですけど、免許証を取らないように、言われています。

 でも、もずく太郎という人が、僕にお前イケメンだから、ラーメン屋をやれ。イケメンラーメンだ。

 そこは芸備線井原市駅前にもう出来ていた。それを建てたのは、ベッチ君と言う、横浜でタグボートに乗ったり、岡山県のダムの仕事をしていたり、じつは元ヤクザで、身体障がい者の車椅子をおして、ソープランドに連れていく、ダイナミックなお人である。


冬になると、カントリーシンガーの山崎さんが、アメリカじゃあ、マーチンはありふれとるから、ヤマハのギターを半年間、倉に入れて、黒く塗り、半音の100分の1まで、狂わないであわせろ。

 おかげでもずくはFが押さない。コードはわからない。弾ける曲は禁じられた遊びだけ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

花田植え 中川クレイ @guppy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る