ハピエン厨の異世界転生者~テンプレチートで全世界をハピエン!~
コトリノことり(旧こやま ことり)
前編 転生した
ゴリラに殴られて異世界転生した。前の世界での名前は川野流だ。
異世界転生したと気づいたのは、派手なピンクの髪色をした女性の母乳を吸っているときだった。父親らしきひとや使用人っぽいひとたちもブルーやグリーンのカラフルな髪の色をしていた。あと美人とイケメンばっかだった。オレはなぜか黒髪のままだった。解せぬ。
で、よくよく観察していると、どうやら魔法のある世界らしいってことがわかった。明かりをつけたり水をだすのを呪文っぽいの唱えて一瞬でやってたからな。つまりオレが転生したのは剣と魔法のファンタジー世界ってことだ。
理解したオレはめっちゃテンションがあがった。
これはあれじゃね? 転生チートうはうはしてオレの目標達成できちゃうやつじゃね? と。
そっからはテンプレっぽい知識チートとか使っていった。動けない幼児のときは体の中にある魔力っぽいのを見つけて、それを外に放出して、魔力切れたら寝るっていうのを繰り返した。限界まで使いまくって魔力増強はあるあるだよな。
そこそこ口が動くようになったら実際に簡単な魔法なんかも使っていった。こっそりね。
もうちょっと大きくなってからは父親に頼んで家にあった魔導書っぽいのを見せてもらったり、剣の稽古もつけてもらった。ちなみに父親は貴族らしい。とはいっても田舎の領主で、権力とかはないっぽいが。でも面倒なことに巻き込まれなさそうなのでオレ的にはラッキー。
あとは隠れてモンスター討伐してレベル上げしたり、領主の息子ってのは隠してギルド登録してランク上げつつ、領内の農作改良をしたり、前いた世界でこっちにないもので簡単に作れそうな遊び道具を作ってがっぽがっぽ稼いだりしてた。
そんな感じですくすく育った。転生チートなのか赤ん坊のころの努力のせいかわからないが、魔力量は人の二倍くらいある。これを応用して身体強化すれば近接戦もめっちゃ強くなる。剣も魔法もばっちこい。
15歳になるころにはドラゴンもオレ一人で倒せちゃうくらいになった。この世界ではレベルは目で見えないけど体感的に「あ、あがったな」ってのはわかる。オレのレベルまで到達してるやつはそうそういないだろうな。
あ、ちなみにギルドランクはSランク。さすがに領主の息子っていうのを隠しきれなくなってきたな~、どうしようかな~、と悩んでたときだった。
なんか魔王が現れたらしい。
オレは「お、これはチャンス」と思ったね。異世界転生したらぜひやりたいことがあったんだ。そこで魔王登場ってのはオレ的にはめちゃんこラッキー。
そんなわけでオレは父親経由で国王陛下に魔王討伐の志願した。弱小貴族だったのも今は昔。オレの知識チートのおかげで領の収穫は右肩上がりで今じゃ国内トップクラス。オレが利権持ってる大ヒット商品いくつかもある。さらに極めつけはオレ自身がギルドランクSということで、すんなりと奏上は通った。いやー、徳ってつんでおくものだね。
で、サクサクっとオレは一人で行った。魔王城。
魔王城はオレたちが住んでるところから離れた孤島にある。海路でいくか悩んだけど、魔力は有り余ってるから飛行魔法で一時間で着いた。
やー、だいぶ強くなったと思ってたけど、あまりにあっけなく進んじゃうから逆に心配になったよね。まあ経験値は高かったので、モンスターはばりばり倒した。経験値ごちそうさまです。
魔王はさすが結構強かった。でもすまんな、たぶんオレ、いま人類最強なんだよね。今世で一番いい勝負だったけど、やっぱオレが勝った。
んでもってさすが魔王。経験値おいしい。聞こえないけど鳴りやまないレベルアップのファンファーレが聞こえそう。
そしてさすが魔王城。オレの知らない禁術や、さらに魔力を高めるやべー方法とか、魔界のあれこれとかたくさんあった。魔王も魔王城もオレの期待を裏切らない。これはもうまとめて「さすまお」とか呼んじゃいたい。
いろいろと魔王城を物色して、野暮用を済ませたりしつつ、オレは自分の力をさらにあげていった。
もうこれ地上最強じゃね? いやもしかしたら人間やめてるんじゃね? ってくらいの万能感。
やばいね、オレの極大魔法はなったらたぶん大陸割れるなー。ってくらいになった。
だから、オレは世界を滅ぼすことにした。
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