アニマル・チェンジ!

五十嵐 怜

第1話 猫になった、俺ぇ!?

「う〜ん」

目を開けると、景色がいつもと違っていた。人が、でかい。


(おかしい。人がでかくなるなんて、馬鹿げてる。)


そう思い、俺─猫蔵ねこくら 都良とらは、目をこすろうと、手を見つめた。

「うそ‥‥‥、だろ‥‥‥?」

手を見て、思ったことは、これだけだ。なぜ、なぜ、俺が猫になってるんだ?思い当たるものは、一つもない。クラスのやつらとも、うまくいっていたはずだ。そう、犬河いぬかわ 試馬しばが来るまでは。


「お〜い。これからみんなと過ごすことになるだろう。自己紹介をしてもらうぞ」

「い、犬河 試馬です。よ、よろしくお願いします」

そのとき俺は、試馬と、隣の席になった。それからだろうか。試馬のことを、嫌いになったのは。試馬はまず、うるさい。騒ぎ過ぎなんだ。そして、仲間たちと、遊んでる。俺は、それがいやだった。


あいつの、あいつのせいなのか?俺が、猫になったのは。

(いや、少しばかり、違和感がある。試馬が、俺を恨んでた?いや、なんのために。)

そう考えてから、ピタリと、思考を止めた。

(まずは、他にも、人なのに、動物になってしまったやつを探そう。)

動かなきゃ、変わらない。

「分からないなら、やってみる。それがきっと、未来につながる」

そう、何事もないような行動でも、未来は、作れるんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る