第25話 R15的に覗き中な妹だけど、どうしよう……

「どうしよう……」


 朝、慌てて皿を掃除したのが悪かった。

 参考書を姉ぇの部屋に忘れたのだ。

 そして放課後、取りに来たわけだが、出るに出れない状況になっている。

 何故かと言うと……


「しどー君……」

「初音……」


 入口から音がしたと思って覗いた瞬間、姉ぇと眼鏡をした真面目顔のしどーさんがキスを始めていた。

 それに驚いて声を掛け損ねたのだ。


「ちゅ……ちゅ、くちゅ」


 舌を二人で貪りあったかと思うと、軽くキスを啄ばむように繰り返す。

 離れると唾液が橋を作り、また二人は誘われるようにキスをする。

 キスだけで悪いことをしている気分になる。


「しどー君……キス、上手くなったよね?」

「初音もファーストキスだったろ」

「私は、下を舌で満足させたもーんだ……」

「キスは僕だけだろ……」

「うん……」


 そして、体をくっ付けあいながら更に深く、長いキスになる。

 姉ぇはシャツがはだけている。


 ――だらしない。


 っと、思う自分が居る反面、女のふくよかな丸みという胸で男に媚びを売ろうとしている姿は艶めかしいと感じている。


「私もああなるのかな……」


 姉ぇと自分は基本、良く似ている。

 ふと、自身を被せている自分に気づき、頭を振ってかき消す。

 それでも視線は釘付けだ。


「しどー君の……」

「そりゃ、僕も好きな人に体を弄られればな」

「ふふふー。

 しどー君、私も好きよー」


 指をしどーさんの下半身になぞらせて、姉ぇが屈みこむとジッパーが外れる音がした。


「ふふー、御開帳。

 ごりっぱー」

「いつも言われるが、あんまり良く判らない。

 普通、比べないし」

「自信もっていいのよ、ビッチが言うんだから。

 修学旅行とかで比べてみたらいいわよ。

 自信になるから」


 私にも見えた。


「あんなに……」


 目が離せず、ごくりと、生唾を飲んでしまう。


「私、もう準備……出来てるわよ……」


 姉ぇがスカートをたくし上げる。

 健康的な太ももに汗か何か、水っぽいモノが垂れている。


「……我慢しなくていいんだよ?」

「じゃぁ、お言葉に甘えて」

「ふふ、玄関ではあんまりやらないよねー」


 姉ぇが、しどーさんにしがみつくと、


「ん……ぁ」


 色っぽい声が漏れた。


「……、ぅ、あ……あぇ?」

「……っ」


 姉ぇと目が合った。

 どうしたものかとお互いに思ったはずだ。

 しかし、姉ぇは悪魔のような笑みを浮かべる。そして私に見せつけるように、しど-さんにキスを求めるながら、ユサユサと体を動かし始めた。

 そして段々と二人の衣服が乱れ始める。


「……っつつつ」


 見せつけられてしまった。

 二人の仲の良さを。

 玄関で二人が跳ねたと思ったら、廊下に倒れてお互いに乱した呼吸で笑いあっていた。

 そして姉ぇは私に一旦、視線を向けてきてニヤリと悪魔のように笑う。


「お風呂でやろ?

 スク水、持って帰ってきてるんだー」

「嬉しいな……」

「ほんと?

 やったー!」


 そしてしどーさんを先に風呂に入れ、脱衣所でスク水を着る姉ぇ。


「妹、いるんでしょ?」

 

 小声で呼ばれた。


「……うん」

「帰るなら今のうちに帰りなさいな」


 でもね……っと続ける。


「大人のやることをまだ見たいのなら、こっそりならいいわよ。

 あんた、どうせエロい事、保健体育しか知らないんだから。

 勉強したら?」


 悪魔の囁きだ。

 天使はどこにいったのだろう、声が聞こえない。


「混ざってもいいけど……それは、雰囲気に呑まれてるだけだからお勧めしないわね……。

 私も観られてると思ったらいつも以上に興奮しちゃった。

 まぁ、好きにしていいわよ」


 っと、淫靡な笑顔を浮かべ、お風呂に入っていく。

 私は悩み、結局、気になってしまった。


「……どう、しどー君」

「やっぱり胸のサイズあってないだろ……。

 パツンパツンで背徳的だが」

「ふふー。

 破いちゃおっか、どうせ買いなおしだし。

 ふふふー、いつもと比べてどう?」

「狭い分、し、しげきが……」

「よしよし、少し我慢しなさいよー」


 何というか、これは現実なのだろうか。

 確かに姉ぇはビッチだと知っていた。

 しかし、実際にそういう行為を見るのは初めてだ。


「っあ……」


 ふと自分の手が胸や触ったことない場所に伸びていることに気付いた。

 声がでないようにハンカチを噛む。

 止まらない永遠とも思えた時間が過ぎる。


「……次はどこでやる?」

「部屋いこうか……流石に疲れてきた」

「りょーかい」


 っと、姉ぇの目線が私を見た。

 早く行きなさいよっと言われた気がした。

 立てない。

 腰が抜けている。


「……の前に、何か食べるもの作るから、まだしどー君あたまっててー」

「了解」


 っと、姉ぇだけ出てくる。


「出来上がちゃってるじゃないの」

「ぅあ、あぇ?」


 言葉がうわずって出て来ない。


「……わが妹ながら情けない。

 ちょっと手を貸すわ、私の部屋で寝てなさい」


 っと姉ぇの手が私を触った。


「っあ……!」


 痺れたような感覚が走り、声が出てしまった。


「初音?」

「あー、ちょっと、身体に刺激が残ってただけよー」

「大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫、ビッチなめないでよー」


 っというと、しどーさんは判ったと風呂で体を洗い始める。


「えっっろい声出さないでよ、まったく」

「ご、ごめんなさい……」


 そして姉に抱えられて、ベッドの上に。


「はい、新品だけどこれあげるから。

 好きにしなさい」


 っと、肩こりをほぐすように使う電気マッサージ器を渡される。

 そして姉ぇは部屋から出て行ってしまう。


「……使えと?」


 恐る恐る電気のスイッチを入れる。

 それを肩に当てると程よい刺激が気持いい。


「……」


 私をそれを一旦放し、見つめる。


 ……覚悟を決めた。

 初めてだったが気持ちよかった。


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