教導師フィズィ・アランと青傘の天使

和田島イサキ

〈1〉

 貴方いい加減その行き詰まるとすぐ癇癪かんしゃく起こして人の家に火つける癖やめなさい本当と、そう叱ってくれる友のいる人生のなんと幸福なことか。


 わからなかった。一年前、まだ無邪気な子供でしかなかったあの頃は。ずいぶんと贅沢な人生の過ごし方をしてきたものだと、今更ながらにそんな後悔が募る。要は懺悔だ。ひとりの天使の惨めな失敗の記録。いやそれとも堕天使というべきだろうか? 僕が『翡翠の目の天使』と呼ばれ皆から愛されていたのは、今となってはもう昔の話——。

 あの宿舎の燃え落ちる日までのことだったのだから。

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