女神戦争記録

@BBebe

第0章0節


地を這う轟音と共に目が覚める。

それはアラームなどと言った代物とは程遠く憂鬱な音とともにの起床だ。

隣で寝ていたものも、第一声はおはようでは無く、神に今日1日無事にまた寝床につけるようにと祈りを捧げている。

そして今日も今日とて、鼻につく硝煙の匂いと共に、轟音と鋭く刺すような音と、叫び声の入り交じった戦場へと、足を運んでいく。

これが私のいる世界だ。今更逃げたいだなどとは思わない。むしろ居心地がいいくらいにまで感覚は麻痺している。戦争というものはそれ程までに我々を狂わせるのだ、、、

申し遅れた。私は帝国軍所属、レビィ・シュラクテルフ少佐だ以後よろしく。


第0章0節


〜戦後歴元年 開戦初期 帝国郊外都市ウェルトライン〜

開戦初期、帝国は混乱に満ちていた。政権交代後すぐの独裁政治と会い重なる帝国主義への方針転換、そして隣国への宣戦布告。一体誰がこの国がここまで大胆な行動に出ると予想したであろう、、、。

この混乱は帝国郊外都市ウェルトラインに平凡に暮らす家族にも最初は少なからず影響を与えていた。

「私!お昼はパンケーキがいい!!」

元気な声が食卓に響き渡る。それを聞くや否や「今はね、私たちの国は戦争をしているのよ、、パンケーキはね、もう少し落ち着いてからじゃないと作れないのよ、」

そう少し申し訳なさそうに我が子に言うのは母親であった。

そこにすかさず「なんで!」と甲高く元気な声がくい込んでいく。

「今はね、ちょっとの食べ物とか物に余裕を持てないの、、大事にちょっとずつ、とっておきながら使わないといけ、」

突如として家の庭に何かが落ちる。

と同時に、その激しい衝撃は窓を突き破り、割れた窓の破片が話途中の母の顔をかすめる。

「キャーッ!!!」

娘が驚きの声をあげる。だが母親は不幸中の幸いか、かすり傷であった。しかし、その割れた窓から外を覗いた母はその光景にただ唖然とすること以外出来なかった。

辺りの家々が無惨に爆散し、無惨に燃え盛っている。そう空襲を受けている。それは平民の母いや、誰にでも分かった、娘にさえ。

そして空襲用の空爆機が遠くへ消えて行ったが、同時に何かが遠くから大勢やってくるのが伺える。「突撃ィ!!!」「ウオオオオ!!」

そのけたましい声に母と娘は恐怖した。

あっという間に武装したもの達が近ずいてきた。「女と子供を発見!!」「殺せ殺せ!!」

物騒な声が割れた窓の破片が飛び散った食卓に響き渡る。

母は押さえつけられ、娘も同様に捕まった。

そして見世物にするかのように、「お嬢ちゃん、これが最後のお別れだとは可哀想にナァ..大丈夫すぐに同じところに逝かせてやるよ。まあでもまずは別のところにイかせてからだがな!!」そう吐いた男は銃口を母親の頭に突きつける。「やめて、、その子には!!」

母がせめて娘をという一心で頼み込むが、「うるせえ黙って死ね!!!」そう突っぱねた男は母をひと殴りし、引き金に指をかけた。

「お母さん!!」

そして、引き金を引いた音は、娘の脳に鮮明に響き渡った。

そして同時に、娘は絶望と同時にこれから自分がどうなるのかを悟り出した。

「敵襲!!!アアッ!!」

突如武装したもの達の仲間の声が聞こえてきた。何事かと声のした方を見るともう彼は撃ち抜かれた後だった。娘を置いて外に出た、だが、出た時はもう遅く彼らの頭蓋を鉛玉が貫いた。「所詮ただの二等兵、迂闊に頭出すとはな」野太い声が聞こえた。

「本当だなぁ。全くもって愉快だ。こんな簡単な仕事で済むとは、今日はゆっくりと眠れそうだ」そう冗談を飛ばす謎の女性のような声。今起きたことに理解が追いついていないのは読者のあなただけでなく娘もそうであった。だが次の女性の声によって娘は安心で気を失う。「大丈夫かい。私は君を救助しに来た。大丈夫だ怖がらなくていい。私は帝国軍の兵士だ」

「少女を1人救助しに。至急医療班を頼むオーバー」

そうして娘は救われた。


ああ全くもって今日は良い日だ、安全な郊外で待機命令とはとてもついている。そう考えていた自分を蹴飛ばしてやりたい。今現在、私たちは我が祖国の領土を侵さんとしている無礼なやからの"追い払い"をさせられている。

何が「安全地帯」だ。1度上官をぶん殴りたい。だがそう感情的になるのは戦場においては命取りだ。少し冷静に、、、

そんなことを考えながら戦場を部下を引連れ進んでいると、

「敵を発見距離200!!」

部下の報告が入る

「諸君仕事だ。敵軍である場合殺して構わん。」

早速部下の放った鉛玉が敵兵の頭を貫く。

そうするとゴキブリのようにわんさか敵軍兵士が湧き出てくるでは無いか、、、

頭を出したら殺されるというのがどうやら軍の教本に書かれていないらしい。

一通りゴミムシ共を片付けた後、1人の少女を救助した。まさかこんな簡単な仕事でしかも人を救ったとは、今日はついている。少なくとも最前線にいるよりは、うむ、やはり今日は良い日だ。


後にある少女は語った。「私は帝国軍では珍しかった女性の少佐に命を救われました。彼女の名は、レビィ・シュラクテルフ。私の女神です」


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