女子高生ラジオ
@Hisa-Kado
〜時計博物館〜
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……ってなわけだったんだけども、冬ちゃんはこの休みにどっか行ったりした??」
『あのー…私ね、松本駅のすぐ横にさ「時計博物館」ってあるじゃないですか。あそこにね、行ってきたんですよ』
「ほう?」
『んでさー…夏ちゃんは知ってると思うけどさ…ほら…私時計ってあれじゃない?』
「あーそうね。まぁ…あまり興味のないというか、ねぇ?」
『うん。そのー…時計って意味あんの?』
「ふふ(笑)まぁ意味はあるでしょうよ、そりゃ(笑)」
『だって時間を見るだけなら携帯で、ねぇ?アップルウォッチとかさ、何かほら…機能があるならね、まだわかるんだけども。ただの時計を身につける意味ある?』
「ほら、おしゃれとか…まぁ、色々あるじゃないですか(笑)」
『おしゃれはまだわかるけど、時計の意味はなくない?まぁ仮に時計だとしても、デザインで選べばいいとしてさ。高級なものはわざわざつけなくていいじゃん?』
「まぁね、人それぞれですから、お金持ちに人はこう…身嗜みというか…ねぇ?あるんでしょ、色々と。」
『私は完全に…ね?…くだらない見栄だと思ってますからね』
「はいはい(笑)」
『でも、時計博物館に行けば、そんな価値観も何か変わるんじゃなかろうかと思ってー…それで行ってきたわけですよ』
「おおーなるほど!それは立派ですね」
『でしょ?んでさ、見ててさ、色々時計あって』
「うん」
『こう…昔の変わった時計とか、なんかね。床屋に置く用の、お客さんが鏡越しでも見れるようにね、文字とかが左右反転してる時計とか。あーあとね…アニメとかで見るような典型的な鳩時計とか、いろいろあって』
「へー!なるほど、面白いね」
『やっぱ昔は、こう時計って大切だったんだなというか「時計を身につけなくちゃ時間がわからなかった」みたいなことが結構伝わってきて、今の時計もその名残なのかなと』
「うん?」
『「あーなるほど…まぁ時代の変化に取り残された人が、未だにわざわざ時計をつけてるんだな」とね…のんびり思っていたんですけど』
「別にそんなことはないと思うけどね(笑)一個人の感想だから!真理みたいに言わないで(笑)」
『そしたらね、時計博物館に…中学生かな?どうも修学旅行的な子たちが、ちらほらいてさ、ボーと見てたんだよね』
「ほうほう」
『そしたらそこでさ、こう…時計の鐘が鳴るタイミングで「ハッ!」ってカメハメ波みたいなポーズとっておちゃらけてる子がいてさ』
「あら、まぁー子供らしくて可愛らしいじゃない!」
『そうそう、なんかねーこう…中学生の自分を見ている気になっちゃって、急に懐かしくなってさ』
「あなた中学生の時そんな子だったっけ?(笑)」
『まぁ、あの頃はね、結構はっちゃけてた(笑)。それでさ、2階に登ったらね、今度は大人しめの子がさ、一人でじっくりと時計をながめてて』
「あー…まぁそういう子もいますよね」
『なんか今度は高校生の今のボッチな自分を思いだしちゃってさ(笑)急に悲しくなって』
「あー確かに、どちらかというとね、そっちよりですからね」
『うん。でー…3階についてさ、のんびりしてたらね、中学生の私と高校生の私があがってきてさ』
「ふふ(笑笑)まぁ、「っぽい」子ね(笑)。中学生と高校生の貴方ではないから(笑)」
『いや、もうあれは、私です(笑)』
「あれて(笑)」
『で…それでね、中学生の頃の私と、高校生の私と、そして…この…今の私自身、全て揃ったんですよ』
「あぁ、もう(笑)、はいはい」
『そしたらね、ちょっと若い、といっても年上ではあるんですけど…若めの夫婦かな?いやカップルかもしれないんだけど、あがってきてさ』
「うん」
『「あぁ!」って、「未来の私だ!」って』
「はいはい(笑)」
『そしたら今度は老夫婦が上がってきて「あぁぁ!もっと未来の私だ!」って、「末長く幸せそうだなこのやろー!」ってさ(笑)』
「いいことじゃないですか(笑)まぁ未来の貴方ではないですけどね」
『そしてら急に寒気がして』
「うん?」
『まさかと思って写真撮ったら、こう、青白い顔が写ってて、「うわぁぁ!未来の私だーー!」って』
「はい嘘(笑)もう何それは、どういう話なのこれ(笑)」
『でさ、怖くなっちゃって(笑)。時計博物館を後にしたんだよね、そしたらさ、その経験のせいかわかんないんだけどさ、私がわかるようになって』
「私がわかるように?どゆこと?」
『こう、街歩いててさ「あ、あれ昔の私だ」とか「あ、あれ前世の私だな」とか』
「いやどゆこと(笑)」
『でそしたらさ…もうわけわかんなくなっちゃって(笑)どれが本当の自分か分からなくて(笑)』
「あら…(笑)。それは大変ですね」
『もう発狂しっちゃってさ、「うわあぁぁああぁ!」ってなって』
「うん」
『で、ハッとしたら、場面が変わって』
「場面が!?なに、本当に意味がわからない(笑)」
『こう、サングラスかけた、まぁ「おじさん」というか?超大物タレントみたいな?お昼の長寿番組の司会やってそうなグラサンのおじさんがさ、真っ黒にスーツ着て、コツコツと歩いてきて』
「えぇ?」
『こっちに向かってこう言ったの「次に奇妙な扉を開けてしまうのは、貴方かもしれません…」って』
「いや、世にも奇妙なやつじゃん(笑)グラサンのおじさんってタモさんね(笑)ってかやっぱ嘘じゃん、もう創作話じゃん」
『いや、本当(笑)』
「はいはい(笑)」
『で、エンドロールが流れてさ』
「もうエンドロール流れっちゃったじゃん!(笑) そこまで言って「本当」は無理ですよ」
『こう出演者がの名前が流れてってさ「でれれれれん、でれれれれれん」って」
「やっぱ世にも奇妙なやつじゃん!!(笑)」
『来週土曜9時から!』
「はい嘘(笑)やりませんからね」
「結局どこまで本当?時計博物館はいったの?」
『それはマジ(笑)』
「あ…それは本当なんだ(笑)そういえば……………………………
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女子高生ラジオ 第74回放送分より 〜時計博物館〜 終
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