ハート→レス 両片想いその果てに、、

もしも二人でデートして 4月1.告白

それは四月半ばのこと、

「ボクと結婚して下さい！」

校内一の美人と噂の女の子にボクは人生初の告白をしていた。

_ダメだ。

しかも場所が悪い。

廊下のど真ん中で何考えてんの？罰ゲーム？

とか思われてるに違いない。

しかも付き合ってじゃなくて結婚なワケだ。

これはもうアレだ。

終わったな。

えぇい五月蝿い！

少し黙ってろボクの気持ち！

「いいよ？でも物事には順序がある。

付き合ってちゃんと好きになってからじゃないとその果たし状は受け取れない」

え？アレ？果たし状って書いてる！

アホなのか！

ボクはアホなのか！

あ、でもイエス貰えたんじゃないの？

「今度の日曜日どこいく？」

「か、考えてみます」

OKもらって困るなんて失礼な話だった。

贅沢にも日曜日。結局何のプランも思いつかなかった。

仲のいい男もいないし、何を参考にしていいかもわからなかった。

そりゃ彼女は憧れの女性。

しかも手を繋いでもらったワケだ。

どーすんのこれ！？

_リードされてんじゃん！

最近流行りのカフェに入って席に着くといきなり、

「ね？私の何がいいの？」

一番困る質問をされた。

あ、何がいいと言いますか。

何だ？何がいいんだ？

自分でわかんねーのかよ！

それでよく告白なんかできたな！

相変わらず心は落ち着かなかった。

それどころか自分に叩きのめされてるボクって一体。

「　　　　」

顔とかスタイルは絶対言うなよ？

何か言おうと息を吸った瞬間、言おうとした言葉を塞き止められた。

それでも、

「声かな。可愛いなと思ってて」

鼻をくすぐるような明るい声で彼女は、

「まぁまぁかな。許してあげる」

そう言って彼女は自分のフォークの先に乗っていたレモンクリームのムースをボクの口に入れた。

ぎょ！？

使用済みってか今食べてるヤツで？

「オイシイ？」

どういう意味だ？

味のこと聞いてないでしょ？これ。

「オイシイです」

シチュエーション的に！？

ロケ地川沿いのタルトが人気のカフェ。

そこで憧れの女の子とデート中に図らずも「あーん」を不意打ちされていた。

これがオイシクないわけがない！