「地球丸ごと洗い」

『地球の皆さーん。洗浄の時間でーす』

 頭の中に謎の声が聞こえてきた。周りの人も聞こえたようで呆然とし始めた。即座にシェルターに向かった。


 シェルターの近くには既に多くの人が来ていた。これから起こる災害から逃れる為だ。


 僕も中に入って、これからの災害に備えた。


 シェルターの中に取り付けられたモニターで外の状況を確認していた。


 台風。津波。地震。火山。落雷。ありとあらゆる天災が起こっていたのだ。


 十年前から突然始まった。地球による浄化。増えすぎた生き物を減らすために行なっているという。


 最初の浄化で人類は何十億という犠牲を出した。それから不規則にその浄化は行われるようになった。


次の日、シェルターが解放されて、外に出た。


 街は台風の影響で荒れ果てていた。一度目の浄化でも街の復興にはかなり時間がかかった。


 きっとこれからも忙しくなる。ため息をつきながら、家に向かった。









 数年後、妻と娘と過ごしていると頭に声が流れ始めた。


『地球の皆さーん。洗浄の時間でーす』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る