「見えない殺し屋」

カーテンの隙間から当たる木漏れ日で目が覚めた。


 眼前に飛び込んできたのは推しアイドルのグッズ達。何と愛おしいことか。


 コーヒーを飲みながら、早速テレビをつけた。ニュースが流れていた。どうやら著名人が亡くなったらしい。原因はSNSによる虐めだった。最近、このような事件が多い気がする。


 急激な技術の発展により人との繋がりが容易なものになった。しかしその分、悪意のある存在との関わりやすくなった。


 見えない殺し屋が跋扈し始めている。ああ、恐ろしい。


「続いてのニュースです。今日」

そこからの情報を聞いた時、僕は膝から崩れ落ちた。推しアイドルが結婚報告をしたからだ。


 胸の奥で何かが音を立てて壊れた。


 


 


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る