第2話 帰ろう


立ち寄ったコンビニの駐車場


車の中でじっとしていた


暗くなるのが早くなって、帰る時間にはもう外灯が点いている


店の明かりと車道を走るヘッドライトが僕の横顔を照らしていた


エンジンを切ると、聞こえてくるのは他人が走らせる車の音だけ


たまにトラックが左に曲がりますと電子的な声を響かせる


僕は何がしたかったんだろう、


ふと嫌な事を思い出す


思い出さない日はない


嫌なことって頭から離れない


良い事が同じように頭から離れないなら苦労はしないのに


一番嫌なのは

 

大切だったものを守れなかった事


もう少し早ければ、


もう少し勇気があれば救えていたのだろうか


そんな考えても仕方のない事が頭の中を何度も巡る


そうして無力感に襲われて逃げ出したくなる


溜息を吐いてエンジンをつけた


帰ろう


愛しい人が待つ家へ


帰ろう


可愛いあの子が待つ家へ


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