悪戯な雨1

 映すもの。それは子供の真剣な瞳。

「これなに?なに?」

「何って、水溜りじゃないの」

 女の子が尋ねると、そのお母さんらしき女性が不思議そうに答えて、それから女の子の手を離した。

「ごめん、お母さんちょっと買い物してくるから、未來みくここでお留守番しててくれない?そこのゾウさんと遊んでていいから」

 女性は灰色でゾウの耳と鼻がついた、乗るとゆらゆら揺れる乗り物を指さす。よく公園に置いてあるやつだ。あんまり、長い時間遊ぶものじゃない。

 みく、と呼ばれた女の子は素直に頷いて、いってらっしゃいとお母さんを送り出した。女性は心配そうにちらりと一度振り返って、足速に公園を出て行った。

 みくちゃんはしばらく手を振って、女性の姿が見えなくなると、水溜りを再び覗き込んだ。

「ねえ、あなた、誰?」

 水溜りを無邪気に覗き込むぴかぴかの瞳は、ばっちり私と目が合っている。ここで無視するわけにはいかなさそうだ。

(ここで書くのをやめました。ごめんなさい)

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