第81話 夏休み初日

夏休み……学生にとって1番長い休みにして、恋人とのイベントが目白押しな期間。そんな初日に俺はといえば……琥珀と部屋で勉強をしていた。


夏休みだぞ!何故遊ばない!そんなツッコミがくると思うだろ?ふふふ、そんな発想になるなんて、まだまだお子様だよね〜。いいかい?こうして琥珀に教えてる時間、それがあるから普段の触れ合いも更に愛おしくなるのだ。


まあ、俺は鬼教師ではないから琥珀としては、優しい俺イメージが変わらないだろうけど、オンオフがしっかりしてる方が普段の触れ合いが楽しくなるのは自明の理!だからこそ、こうして勉強を教えているのだ。


コンコン。


そんな風に琥珀と勉強していると、ノックと同時にドアが開いた。平然と入ってきたのは勿論というか、母さんだった。


「あら?勉強中?」

「そうだけどどうかしたの?」

「いえね、夏休み初日から部屋に籠ってるからてっきり孫でも作ってるのかと……」

「それはもう少ししたらね」

「ふふふ、楽しみにしておくわね〜」


なお、この会話で琥珀が顔を赤くして俯いてしまっていたのは最高に可愛かった。ふー、危ない危ない。俺の理性が夏休み初日から崩壊しそうになったよ。なんで琥珀は全ての行動が可愛いのだろうか。結論、琥珀は可愛い!


「それで?本題は?」

「そうね、お父さんが家族サービスで遊園地連れてってくれるそうよ〜」

「遊園地!」


パァっと顔を明るくしてから、琥珀はハッとしてシュンと落ち込んだ。多分、家族サービスなので自分は遠慮した方がいいとか控えめなことを考えたのだろう。全く、可愛い奴め。


「琥珀ももちろん参加だよ」

「え……いいの?」

「もちろんよ!むしろ、琥珀ちゃん来ないと寂しいわぁ〜」


ギュッと琥珀に抱きつく母さん。ふ、俺は大人だからこの程度で怒ったりしないのさ。だから俺の右手よ。今すぐ静まれ。


「でも、あの……迷惑じゃ……」

「言ったでしょ?琥珀はもう俺たちの家族なんだから。変な遠慮は必要ないって」

「あっくん……うん、ありがとう」

「そうよそうよ!琥珀ちゃんはウチの可愛い嫁なんだからぁ!なんだったら、お義母さんって呼んで頂戴!」

「ふぇ!?お、お義母さん、お嫁さん……えへへ……」


自分の世界に入って可愛らしく微笑む琥珀。夏休み初日でこんなに可愛いのだからやはり琥珀の可愛さは反則だよね。もうね、何度襲うのを我慢したことか……俺って結構理性的だよね?頑張ってるからご褒美にキスを触れ合いから大人のキスレベルまで上げても誰も文句はないよね。うん、よし、夏の目標は琥珀に大人のキスをして更に俺にメロメロにすること。


まあ、その前に俺がメロメロになりそうだけど……それは、琥珀が可愛いから仕方ないことだろう。


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