第34話 直感

さてと……どうしたものか。琥珀の部活はほぼ決定した。料理部と書道部。どちらも部活も女子がメイン……というか、女子オンリーな上に雰囲気も悪くない。活動日もそれぞれ別で琥珀への負担も少ないし悪くない状況だ。


と、なると……俺の部活をどうするか。同じ部活だと琥珀的にハーレム状態で不安になりそうだし、様子を見る程度に留めるべきだろう。そうなると俺も何かしら部活には入らないといけないが……


「どうしたものか……って、琥珀?」


ふと、琥珀が立ち止まって窓の外を見ていた。俺も視線を向けると、テニスコートで楽しげに女子男子で分かれてテニスをしてるのが見えた。とはいえ……


「男子は少ないっぽいのか……」

「コート一つしか使ってないね」


確かウチはソフトテニスと硬式テニスの部活がそれぞれあったはず。女子が大半のコートを占拠していて、男子が使ってるのは一面だけという図、更に見た感じボールが硬式っぽいからソフトテニスの男子は居ないのだろうか?


「テニス興味あるの?」

「うんとね、あっくんに似合いそうだなぁ……なんて思って」

「俺に?」

「うん、何となくだけど……そう思ったの」


俺がテニスをしていたのは前の記憶で高校の時。硬式テニスをしていたが……何かを察したのだろうか?まあ、何にしても琥珀からのお墨付きなら見に行くのもいいかもしれない。


「ちなみに琥珀的にはスポーツしてる俺はどう?」

「もちろんカッコイイよ。あっくんはいつもカッコイイから」

「そういう琥珀はいつも可愛いから本当に好きだよ」

「えへへ……」


あー、もうダメ。好きすぎる。琥珀たんたらなんでこんなに可愛いのかしら。そのうち襲っても俺を責める人間はいないだろうほどの可愛さ。


まあ、初体験をいつにするかは永遠のテーマだけど……本来別に早ければいいものでもないし悩む所だ。それにどんなに気をつけても琥珀が求めてきたら多分我慢できずに本気でやってしまいそうな自分がいるからね。


その場合R18指定の領域だし、それはそれでいいものだけど……折角なら琥珀が考える乙女チックなシチュエーションでの初体験をさせてあげたい。


非現実的でもなんでも構わない。琥珀が望む形で琥珀を求めたいのだ。まだ琥珀的にはそこまで性の知識が豊富じゃないから、深くは考えてないだろうけど……そのうち俺或いは俺が信頼する者が程よく教えていけば、いずれは考えることだろう。


そうなった時のためにダミーのエロ本を用意するべきか……持ってなくて清廉潔白な感じもいいけど、わざと持ってて琥珀に俺の好みをもらしていくのもありかもしれない。


まあ、琥珀以外に欲情出来ないんだけどね。いや、割とマジでそうなの。だから必要ない気もするけど……そこは今後の課題にしようと思いつつ俺は可愛い琥珀とテニスコートに向かうのだった。




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