第3話 走査線

小学2年生の午後。


昼寝から起きると、すぐ近くにあったブラウン管のテレビの画像が

画像が横に切れて上に行ったり、下に行ったりしていた。



走査線の移動が見えていた。


しかし、テレビ以外の視界は、今まで通りにちゃんと見える。




もう自分はテレビを見ることができない。と絶望したが、

5分ほどで正常に画像が見えるようになった。


そのことを家族や友人に話しても誰も信じてくれず、不満に思っていた。




最近、仕事で名古屋工業大学の教授と話すことがあったので聞いてみると、

子どもの頃は感覚が未成熟なので、そういうこともあり得る。

という話をいただき、長年の疑問が消えた。

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