第223話 威嚇
「……じゃあ、ホントに行くんですか?」
それから数日後、実行係の会議に、既にレギュラーメンバーのように参加している端井に、俺は横山の家に、中原、前野と一緒に行くことを伝えた。
「……あぁ。いつまでも中原を放っておけないしな。それに――」
「それに?」
「……いや。その……端井にいつまでも世話になっているのも悪い気がするし」
実際端井に対して申し訳ない……俺はそう思っていた。端井は別に実行係ではない。横山の代わりにやってもらっているようなものだ。
すると、なぜか端井は嬉しそうな顔で俺を見る。
「そうですかね? そんなことないですよ? 私、全然大変じゃなくて……むしろ、こういうの好きな対応ですから」
「……そうだったのか? まぁ、得意そうな感じだったけど」
「えぇ! 困っている後田さんのこと、放っておけませんからね! なんなら、私がこれからも代わりでやってあげても――」
「端井さん」
と、話し続ける端井に、前野が割って入る。
「……な、なんでしょう。前野さん」
「実行係は、私と後田君。あぁ……それと、横山さんだから。今は、端井さんに手伝ってもらっているけど、係は、私と後田君、ね」
なぜか威嚇するように、前野は端井に向かって、はっきりと、且つ、強い口調でそう言い放ったのであった。
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