マヨナカ・クラブ

エリー.ファー

マヨナカ・クラブ

 何故、人を殺してはいけないのか。

 考えた。

 本当に少しだけ。

 死ぬまで考えると、語る時間がなくなるので。

 生きているうちにほんの少しだけ。

 人を殺してはいけない、ということになっているが。

 人は人を殺しているし、あらゆる形で殺人を容認する仕組みを作っている。

 良い、悪い、言葉尻、ということではない。

 人は人を殺している。

 人という生き物に他者が影響を与えられるものとして、殺すという行為は突出した価値を持っている。

 人は人を殺さずにはいられない。

 また。

 人は人を殺さずにはいられないこともない。

 殺さないで生きていけるのなら、殺さない方がいいし、殺すという言葉自体が刺激的であるから、余り現実的な面を持たせたくはない。

 尖った刃物には何かしら被せておいたほうがいいし、あんまり痛い思いをする人が多くなるのはやめたほうがいい。

 嫌なことはしない方がいい。


 何故、人を殺してはいけないのか。

 なんか嫌な感じがするから。





 何故、いじめはなくならないのですか。

 身近なエンターテイメントだからです。





 何故、戦争は起きるのですか。

 戦争を生で感じたこともない。

 実際に、戦争は起きている訳だが、自分史の中に登場しない。

 まず、リアルな戦争について。

 戦争は結構苦しむ人が多くうまれる上に、不幸が湧く。

 だから避けた方がいい。

 けれど、戦争によって正当化するべきものがあると考えたり、正義というものの存在によってより分かりやすく構図ができあがると開始の狼煙がたちのぼる。

 戦争はビジネスの側面が強く、決着がつくころにはある程度その後の未来までしっかりと決められていることが多い。およそ、戦争中に戦後についての語り合いをしておくのが重要であると考えられる。

 冷戦というものもある。いわゆる脅迫合戦みたいなもので、むしろ平和の裏に必ずいるものだと思う。

 それを戦争に含めるのか。

 含めたところでどうなるのか。

 まず、戦争が起きる理由について考えたこともない。

 戦争が抱える悲劇について、たぶん半分も理解できていないし、それについて学んだと言ったら、戦争詳しい屋さんが来て、あれも学べとか、これも学べとか、これは常識だ、とか近づいてきそう。

 ああいうの、マジでクソウザい。

 でも、戦争があんまり良いものではないことはよく分かっている。

 戦争が起きるきっかけを、目の当たりにしたら分かるようになるのだろうか。


 何故、戦争は起きるのですか。

 そもそも起きるものではなく、ずっとそこにあるものです。





 何故、人は地球を汚すのですか。

 家の中が汚い方が落ち着く、という感覚を地球規模で持っている人がいるということです。





 何故、人という生き物は哀れなのですか。

 もしかして、面倒くさい人ですか。





 何故、結婚というシステムに縛られなければならないのですか。

 結婚をすることを一つのゴールであると設定している人間は数多くいる。

 しかし、結婚をしない限りは離婚という選択も生まれないため、離婚の事前準備をしているとも言える。

 離婚によって幸せになるケースもある。

 おそらくそれなりに幸せになれる。

 まず、結婚をすることで不幸になる人はしない方がいいし、幸福になる人はしたほうがいい。

 最初に、結婚というシステムを考えた人は何を意図していたのだろう。二人の間にある愛であるとか、恋であるとか、プラスの方向に働く思いを形にするべきだと考えたのだろうか。

 目に見えないものをしっかりと解明するための行為として、この試みが的を外れているとは言い難い。


 何故、結婚というシステムに縛られなければならないのですか。

 全人類を対象にした実験であると思われます。結論が出るまでこのシステムは稼働し続けます。





 何故、魚は水の中でも息苦しくないんですか。

 魚は鰓呼吸をしているからですよ。





 何故、犬はあんなに早く走れるんですか。

 駆けずり回るのに適した骨格や筋肉をしているからですよ。




 何故、蝶々は蝶々なんですか。

 貴方が貴方だからですよ。

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