01

 痛みと吐き気で、目覚めた。


 咄嗟に、吐きそうになった口元を手で抑える。はずだった。


 手がない。


 その事実を受け入れるのに、数秒、かかった。


 そして、嘔吐反応。


 しかし、何も出てこない。


 不思議だった。吐きたい。胃の中のものをすべて失くしてしまいたい。そう思うほど、何も、出てこないで消えていく。


 自分が寝ている場所。


 いつもの寝台ではない。


 痛み。身体にあるのか、それとも、心にあるのか。だんだん曖昧になって、そして、消えた。見慣れたような、それでいて初めてのような、場所。


「そうだ。ここは」


 ゲームの中。

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