第七話 ゴブリン邸とお祝い 4


咲夜は、ギルドに入るなりカウンター向かって走って行った。


「冒険者登録お願いしまーす!」


「はい。では当ギルドの説明をしますね。」


「お願いします!」


 当ギルドはランク制で強さを図っています。ランクはFから始まりSまであります。依頼を受け、達成すると報酬が貰えます。ある程度依頼を達成すると、昇格が出来ます。ただし、ランクCからは昇級試験があります。依頼を受けられるのは1つ上のランクまでです。始めは、薬草の採取など簡単な依頼を受けるのをおすすめします。説明はこれで以上です。


「ではギルドカードを作るのでこの水晶に触れてください。」


「はーい!」


咲夜は返事をし、水晶に触れた。もちろん、こちらも神官のおかげで何事も無くギルドカードを作れた。


「おぉ!」


数秒後、咲夜は依頼掲示板から薬草採取の依頼を取ってきた。


「これ、お願いします」


「はい。お気を付けて」


あれ?.......僕は.......何をすれば?


咲夜は、完全に影兎の事を忘れ1人で冒険者登録をし、依頼の発注までもしていた。


「あ、えーと.......さく、や?」


すると、咲夜は思い出したかのようにハットした顔をしていた。


「ごめん、ごめーん、えっちゃんのこと完全に忘れてたわ」


咲夜は、影兎のことを完全に忘れていたの事に対し、謝りながら、笑っている。


.......ひどい!


それから、咲夜のおかげで無事、影兎もギルドカードを作ることが出来た。これでやっと2人揃って依頼を受けることが出来る。


「さ!気を取り直して、薬草採取に行くよー!」


「お、おー」


影兎は余り乗り気では無い様子で返事をした。


今回取りに行く薬草の名前は「キィヒランデ」という、回復ポーションを作るのに必至なアイテムだ。花は綺麗な白色で、身は実らないらしい。あくまでギルド職員から聞いた情報なので、実物が想像できない。


「さて、ここら一帯の草を鑑定しまくるよ!えっちゃん」


着くや否や、見渡す限りの大草原に向かってそう言った。


「え.......これ、全部?.......」


「ん?そうだけど?」


咲夜は不思議そうに影兎のことを見ている。


それから30分後、2人共の鑑定スキルがCからBに上がった。


「鑑定、鑑定、鑑定!.......」


影兎は必死でひたすら、そこら辺の草を手当たり次第に鑑定している。

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