第七話 ゴブリン邸とお祝い 2


ん?俺は方向音痴だから、仕佐に案内して貰ったよ.......


         ◆ ◆ ◆


村に戻ると沢山の兵士が並んでいた。


「なんだ?」


「お、おぉ!戻ってきおった!」


婆さんがそう言った。すると


「戻ってきたぞー!、お前ら無事なんだな?」


どうやら、行方不明になった僕らを探すために、捜索隊が編成されていたみたいだ。


「すみません!ご迷惑を.......」


僕は急いで謝った。が


「お前らが無事だったんだ。謝らなくて良いよ」


そう言いながら中年冒険者が仕佐達の背中を、バンバン叩いた。


「イテテ」


「ハッハッハ」


「さあ!行方不明だった2人は無事帰還。祝杯と行こうじゃないか!」


と、捜索隊のリーダーがそう言った。


「お゛ー!」


その場に居た捜索隊の20人と村の人数十名が、楽しそうに拳を上げた。


そして仕佐達は村の、言わば酒場のような場所に皆で肩を組んで行った。


「.......では、2人の無事を祝して、乾杯!」


「乾杯!!」


皆が一斉にグラスを上げて、他の人のグラスと合わせ合った。


「ふぃー。おばさん、おかわり!」


「はいよ。しっかし、よく無事だったもんだねぇ」


「いずれはすごい冒険者になるぞ、あいつらは」


バーの方で何か、言ってるような気がする.......


 祝杯は昼過ぎまであった。仕佐と条夜は、皆から酒を薦められていたが「飲めない」と言うことで押し切った。なぜ、「未成年」を使わなかったかというと、この世界の常識では15歳で成人、つまり大人なので飲んでも構わないからだ。ちなみに、冒険者ギルドの登録最低年齢も15歳だ。なので未成年とは冒険者に登録が出来ないため、年齢を偽っていると思われかねない。


 先程まであんなにも賑やかだった、酒場が静まりかえっている。なぜなら、ほとんどの大人が、まだ昼間なにも関わらず、酒を飲み、料理を食べ、をしていたからだ。床で寝ている人や、椅子に座ったまま手を組んで寝ている人など、酒の空瓶を持ったまま倒れている奴もいる。


「ふわぁ」


僕はあまりにも眠くてつい、あくびをしてしまった。まだ昼間だというのに。

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