詩集 『ぼったくりだよ』

なんかかきたろう

まちからまち


まちからまちへいくさきのなか


君の中に空いているそのあな

そのあなみつめてしまう

なんだいそれは

いつもあるやつなのかい

そんなもの初めて見たよ


ぼくのなかにはあいていないから

そのあな少し羨ましく見えるよ

夜みたいに暗いね


寂しい夜だ

幻想だよ

迷信だよ

おまえの中にあるもの全部嘘さ


一人ぼっちで嘘だらけさ


いいかげん気づいたらどうなんだい

そんなことをしても何にもならないって

もうみんな君の目の前にいないでしょう


歩いてるんだよ

君が座ってる間に

うわーんだって面白い

君の鳴き声がエンターテインメントの端っこにでもなればいいね


ぼくは無理だと思うよ

もう君は

もう君は

何者にもなることができない

不出来な不格好な滑稽な不純なゴミの塊さ


聖なるものは君を嫌うだろう

邪なるものは君を笑うだろう


君の存在この寂しい夜にこだまして

いたいけなきみへなにも捧げない

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