第4話 電話

「先輩いいい」


『おっ。犠牲が声を挙げて助けを求めてるな。どうしたどうした』


「お誘いを受けましたあああ」


『は?』


 電話口が切り替わる。


『お前だけ抜け駆けは許さないわよ』


『そうだぞ。いつだって三人一緒でしょ。毎日お風呂も一緒に入って、おんなじお布団で三人抱き合って寝るじゃない』


「いや、あの」


 ゲームの誘いを受けたことを、喋る。


『ほう』


『顔を見せろ顔を』


 同僚に言われた通り、顔を画面に写す。


「えっ」


 イケメン。突然顔を映されて、びっくりしている。このひとさっきからびっくりしてばっかりだな。


『イケメンだ』


『イケメンがいる』


「どうしましょお」


『呼べ。家に』


『すぐ帰れ。直帰だ』

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