記憶の中の「幽霊滝」

岳石祭人

まえがき 1984年、小泉八雲


 小泉八雲=ラフカディオ・ハーンは皆さんご存知と思います。

 「怪談(kwaidan)」が有名ですね。


 1984年、今から36年前に、このラフカディオ・ハーンの生涯を描いた

「日本の面影」

 というNHKのドラマがありました。80分×4回のミニシリーズです。

 明治時代、ラフカディオ・ハーンの生涯と共に、西洋式近代化へ進み変遷していく日本の社会と日本人を描いた、子供心にもとてもいいドラマだったと思います。

 主演のラフカディオ・ハーンをなんと「ウエスト・サイド物語」のジョージ・チャキリスが演じる、豪華なドラマでありました。


 このドラマには「お楽しみ」がありまして。


 元々、不思議な話が大好きだったハーンさん。

 来日して、お世話係となり後に妻となる「セツさん(檀ふみ)」に

「コワイはなし、コワイはなし」

 とおねだりして、後に「kwaidan」として著すことになる「怖い話」を聞かせてもらうのですが、それをドラマ内ドラマで再現します。

 登場するのは、


「むじな」

「幽霊滝の伝説」

「雪女」

「耳なし芳一」


 の4つ。

 中でも

「幽霊滝の伝説」

 がNHKにあるまじき怖さで、強烈に印象に残っています。

 自分でホラー小説を書くようになってから思い出しながら小説に書き起こしてみたことがあるのですが……、捜すも見つからず。

 再び記憶をたぐって書いてみようと思います。

 しかし、なにせ36年前のことで、しかも今回、原作であるハーンの「幽霊滝の伝説」をネット検索して読んでみたところ、道具立てに違うところが……

 この「幽霊滝の伝説」はあの稲川淳二氏の映画もありまして、

「心霊」

 というタイトルの3話構成のオムニバスで、第3話「◯◯◯地蔵」としてご自身で監督されています。(「◯◯◯」はネタバレになるので伏せさせていただいております)

 この稲川版の道具立てはわたしの記憶と一致してるんですよ。もしかしたら……稲川氏もあのドラマを見てたんじゃないかなあ……と。映画「心霊」は1996年公開です。


 さて、では、わたしの記憶版「幽霊滝の伝説」を披露させていただきます。

 あくまでわたしの遠い記憶ですので、ドラマ版とも記憶違いが生じていると思います。

 1902年の「骨董(Kotto)」(「幽霊滝の伝説」が収録されているのは「kwaidan」(1904年)ではなくこっち)はともかく、NHKのドラマは著作権的にどうなのかなあ……と心配もありますが、当時見た方にはわたし同様、

「いいドラマだったよなあ」

 と印象に残っている方がきっと多くいらっしゃると思いますので、これも機会に、是非、再放送していただきたいと、リスペクトとリクエストと言うことでお許しいただきたいと思います。

 前置きが長くなってしまいましたが、

 では、どうぞ。


 ……あ、小泉八雲の原作(翻訳)も、短いので、読んで比較してみてください。

 では、どうぞ。

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