裂けた心は少女を救うか
あとわと
欠片- -
とある実験体用の男女2人の翼人が出会った。
研究員達は片方を片方に
人体実験に子を孕ませさせた。
生きるためにした事だった2人だったが、母体が正常な次の素材を産むために施した微かな休息は、
二人の間に人として互いを愛するということを学ぶ事になった。
月日が流れ、女の翼人は子を出産した。
2人の翼人はとても喜んだ。
研究員達も喜んだ。
しかし、研究員達と翼人の彼らの喜びは違う喜びだった。
男の翼人は、子が少し大きくなるといつの間にか女の翼人の前から居なくなった。
女の翼人は悲しく思いながらも残された子にありったけの愛を与えようと心がけた。
「そろそろ良い頃だろう」
少女の歳が10に満たしたとき、
研究員は翼人の女に何かをほおり投げた。
べチャリとしたそれは落ちた瞬間羽根のようなものが散らばった。
女の翼人は激しく狂い、怒り、暴れた。
そして、危険な被検体になった女の翼人は要らなくなった。
「さて、準備は整ったので次のプロジェクトです。」
研究員達は次への1歩に進むために、まず、"予定通り産み出された"それが、完璧な物としての役目をする為に新たなプロジェクトを始動した。
何故なら、産み出された子にはまだその資格がない。
何故か。
「感情は不要である。指示のみ従うべきである。」
怯えるまだ幼い翼人に無感情の資格を与える必要があったのだ。
「さぁ、始めよう」
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