第17話 小悪魔は悪魔に勝てない

 さあ、三戦目だ!

vsこあ。

小柄な小悪魔ちゃんとの対決だ。ここはほのか戦の流れで上手く勝利に繋げたいところ。


「こあ、この時が来たな。」

「卑猥なおにいさんを打ちのめしますよ!」


 なんか俺が変なことをしたみたいじゃないか。やめてくれよ。

まあいい。勝負といくか。

どんな形でやってくるのだろうか。


「は~い♡今日もデート楽しかったね♡夜も遅くなっっちゃたけど、息抜きに遊んでかない?」

「いや、仕事あるから。そんなことをするわけにはいかないのさ。」


 キリッ。

俺たちはデート中って設定か。でもってこあがハニートラップとしてひっかけに来ているというわけか。

よかったぜ、三回続けて秘書の設定だったらさすがに飽き飽きしちゃうからな。

前回と前々回の反省を踏まえ、俺はこあと距離を取る。


「なんで距離取るんですか?初心なんだからぁ♡」

「近寄りすぎだよ!」

「これがカップルってものよ。見せつけましょうよ♡」

「俺たちは大人だろ?大人には大人の品格あるデートがあるんだよ。

「っつ!」


 どうだ。子供のこあちゃんには分からないだろー。

悔しそうな表情のこあちゃん。


「だったら、こうだ!」


 そういうと、こあは背後に回り込む。そして手を掴みスカートのなかへ。


パシャ。


「写真撮りましたよ。これで勝利ですねっ!」

「わりいな、こあ。スマホのカメラのところにふたをかぶせておいた。」

「おー見通しだよっ!」


 やられたな。てか、いつもいつも甘すぎだろ俺!


「カメラ二つ持ってるから、片方がダメになっても大丈夫なんですよ♡あはは、勝っちゃいましたねー!」


 勝ち誇るこあ。

しかし。


 俺は鍵を閉め、退路を塞ぐ。


「ハニートラップは帰るまでが仕事なんだよっ!」


 俺は素早く固め技でこあを動けなくする。


「何すんだー!離せ―!」


 暴れるこあ。

さらに動けなくするため、手と足を縛る。

こあは縛られると、ため息をついた。


「ギブアップだよー!ぐぬぬ、勝ったと思ったんだよ!」


 地団駄踏んでてかわいいな。


「悔しい悔しい悔しーい!でも、みやびがいるからな!」

「コアも成長してるよ。あやうく負けるとこだった。」


 そう言って頭を撫でると、少しだけこあが笑ってくれたように見えた。

 

 そうだったな。

いよいよ最終決戦だ。

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