第6話 You gotta find yourself a reason
「よし、今いったやつがスターティングだ。覚えたか。じゃあ、行ってこい。」
送り出される十一人の一年生。そこには、菅木の姿もある。全くの望外であった。選出と同時に、周囲の目と態度も様変わりする。中には、苦楽をともにしてきた戦友かのように接する図太い輩もいる始末だ。勿論、ある一人は除くのだが。ともあれこんな状況では、誰に何をいわれも全く聞けないどころか、全て逆効果であった。だが、時は待ってはくれない。休憩を終えた冷勢の選手は着々と準備を整えていた。
少し前の事、冷勢サイド
「おい、お前たちどうした!
声を荒げるのは、公立冷勢高校監督、矢守須一(やもり すいち)。
「おい!いいか。もう、来週だぞ。もう
「・・・」
「なんでこんな試合をやってるんだ!なんでこんなに不甲斐ないんだ!平気なのか!?」
立ち尽くす選手たち。
「どうなんだ!」
「・・・違います。」
「
「違います!」
「じゃあ、どうして戦わないんだ。最後なんて全然足が動いてなかったじゃないか。4点目が決められた時なんて、もう笑ってただろ。」
「・・・」
「いいか。もう一度、思い出せ。お前たちの目標はなんだ?キャプテン!」
「優勝です。」
「それはどのレベルで?」
「県大会優勝です!」
主将がそう言うと、矢守は無言で頷き、円陣を組むように促す。
「いいか。俺たちは県で勝って、全国で戦うために、ここに来てるんだ、いるんだ。そのために今日、お前たちがやるべきことはなんだ!」
「勝つことです。」
「次!」
「走り抜くことです。」
「次!」
「マークにしっかりつくことです。」
「次!」
「ボールを追うことです。」
「そうだ!よく思い出してくれた。お前たちのやるべきことはずっと一緒なんだよ。相手なんて関係ない。ただ勝つために、戦おう!戦おう!」
「
戦士たちは出陣する。
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