サラマンのオススメのライトノベル

サラマン

オススメライトノベルとその傾向

長い間ライトノベルを嗜んできたが、これぞというものを紹介したいと思う。

1:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

世界累計1000万部を突破した、わたりわたる先生の作品。コンマ5巻(6.5巻、7.5巻、10.5巻)の3冊含め、通常ナンバーリング14巻まで全部揃えた。6.5巻は傑作だったが、7.5巻は大したことなかった。アンソロジーや別視点モノ、コンマ巻ではハズレが出やすいのがライトノベル界ではよくあることである。私はライトノベルで、アンソロジーものは買わない方が逆に楽しめると思う。

このコンマ5巻ものは巻と巻の間にあった物語で、短編がツラツラと書かれているが、6.5巻だけは長編でガッツリ書かれている。

オススメは6巻、6.5巻、そしてクライマックスに向けて疾走する12、13、14巻だ!14巻の告白のシーンは何度も何度も読み返した。ここまで引っ張っただけあって、感動の洪水がすごいです。是非皆にもこの感動を味わってほしい!

大阪で第6巻にわたりわたる先生にサイン貰ったのはいい思い出である。(他の人は第7巻にサインを貰っていた)

わたりわたる先生は、変態王子と笑わない猫の作者である”さがら総”先生と仲良しで共著もしている。変態王子と笑わない猫の内容は、かなり変態で変態です。

2:人類は衰退しました

田中ロミオ先生の作品で、初版本の挿絵はわたしちゃんの髪の毛がぐるぐる巻きの蛇のようになっている。私は初版本をもっている。後に挿絵刷新され、再販売されて人気が出た。ちょっと田中ロミオ先生の筆速が遅かったのが原因かなぁ?アニメでこの作品を知った人も多いかも。わたしちゃんが暗くて寂しい過去に向き合うまでを描いた辺りまでは、この世界での謎も含めて大変楽しめる!

それら一連の流れが終わって、わたしちゃんのちょっとした卑屈さや前向きさを読者が素直に受け入れてしまうようになると、展開がワンパターンで読み始めの時点で終わりが想像できてしまうのが残念。予定調和なのが返って悪いのかもしれない。その点、俺ガイルは最後に毎度予定調和とはまた違うとんでもない結末が待っている。

子供に読み聞かせるには、人類は衰退しましたの方が良いと思う。

3:子羊は迷わない第4巻

隠された名作。5巻と6巻はこれから読むが、第4巻は名作で間違いない。玩具堂先生の推理モノと謎解きモノである。第4巻は長編となるが、佐々原の心境が次第に変わっていくのが素晴らしく印象に残る。第6巻で打ち切りになったのはなぜか・・・5巻、6巻を読めば分かるだろうか?これらはもう10年近く前の作品である。

4:シー・マスト・ダイ

石川あまね先生の作品。残酷な表現や性的な表現が多いので、高校生にはオススメしない。非常に引き込まれる作品であり、最後も良かったと思う。後半は、解説に終始してしまうのは仕方がないが、ややテンポが悪い感じもした。

表題が不気味なことから長いこと放置していたが、読んでみると寝るのも忘れて一気読み。読み終わった後の爽快感。とてもよかった!


<傾向>

高校生をターゲットとして等身大の主人公が活躍するのがどうも主流なようだ。芥川賞の”蹴りたい背中”でも等身大の主人公が描かれているが、例えば、俺ガイルのと違いは、圧倒的な文章における長さ。14巻も付き合えばだんだん読者は比企谷八幡のことを理解してくる。理解してくるが・・・理解しきれない。雪ノ下雪乃にしてもそうだ。彼、彼女のことはある程度理解できるが理解しきれない。そこに面白さを感じる。八幡の行動を読めないのが面白い。逆に由比ヶ浜結衣の行動は読みやすい。

”蹴りたい背中”はちょっと私はあの陰鬱な空気が苦手。最初から最後まで主人公の心理が理解しきれないまま、薄い本幅のまま、終わってしまってしまうのが残念だ。

”理解できてくるけど、理解しきれない・・・予想を裏切られる”そういう一つの人格体験をできる作品って、やっぱり面白いのだと思う。

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