イチ押しの女の子が魔法少女だった件について

六月

第1話 イチ押しの女の子が魔法少女だった件について



 俺にはイチ押しの女の子がいる。


「うわ~。あの人、カッコいい……」


「今度、告白してみようかな~」

「辞めときなって!! あんなにスタイルがいい人、絶対彼女いるって!!」


 俺の名は加藤 竜馬かとう りゅうま。現役高校二年生。

 俺はいつも通りに登校しているだけだ。

 それなのに俺はモテている!!

 身長180センチ。体重は73キロ。

 成績優秀。全国模試1位。イケメン。

 1年からバスケ部のレギュラーで、クラスの皆からも慕われてる。

 まさに俺は完璧なのさ!!


 でも、俺はそんな自分が一番だ。


 俺は毎日がオンパレードの登校を乗り越え、自分の教室に入った。

「おはよう!! 竜馬!!」

「よう!! 加藤!!」

「おはようございます。加藤くん」

 俺の幼馴染みで親友の佐薙 健さなぎ けんと一年から付き合いのある西城 令さいじょう れい、それに丁寧口調が特徴で西城の彼女である小鳥遊 柚葉たかなし ゆずはが同時に俺を迎えてくれた。

「みんな、おはよう」

 俺は彼らに挨拶を返した。そして、

「おはよう、加藤くん……」

と他の女の子が挨拶してくれた。その娘の名前は池口 咲いけぐち さき。髪は肩ぐらいの長さで目はぱっちり、その上成績上位で完全美少女だ。

「池口さん、おはよう」

 俺はそんな彼女の挨拶に答えた。少し照れながらも笑顔で。

 そう、彼女が俺のでのイチオシの女の子だ。

 彼女は俺の返事を嬉しく思ったのか少し赤くなった。それもそうだ。

 だって俺はカッコいいから!!


 よし、終わった……。

 今日、一日が終わったーー!!

 俺は自分の部屋で自分のベットに寝転がる。

 今日も部活しんどかったなーー。

 でも、俺は明日を乗りきれば日曜日は部活の定休日だ。

 だから、明日も頑張るぞーー!!

 明日頑張れば、にも参加できる!!


 俺はその日をずっと楽しみにしていた。


 ――日曜日

 今日の天気は晴れ。最高の気分だ。

 こんな日に俺は久しぶりに日本橋に来ていた。俺はそこでに会いに来た。


「ええ、この度、ご来店の皆様、大変しばらくお待たせしました」

 よし、始まるぞ!! 俺はこの為に頑張ったんだ!!

 俺はとあるイベント会場にいた。

「間もなく『魔法少女 クリリ☆クララ』のコスプレ大会を始めます!!」

 

 そう、俺は完璧人間であり、同時に「魔法少女クリリ☆クララ」ファンなのだ。

 俺のイチ押しの女の子こそクララちゃんだ。


 俺が部活で試合で大きなミスをして、落ち込んでいた。

 その試合の深夜、俺は気まぐれにテレビをつけた。

 魔法少女クリリ☆クララがちょうど始まっていた。俺はあまり興味なかったけど、なんとなく見ることにした。

 そして、その物語の最終局面でこんな言葉が俺に降りかかる。


『あなたが困っているなら、その時は私の出番よ!!』


 その言葉に俺は酷く心を撃たれた。

 そうクララちゃんに言われた時、俺の心は彼女にメロメロだった。


 俺はあの日からクララちゃんの事をばかり考えている。

 そして、コスプレ大会が始まった。本物クララちゃんに遭えるのだ。

 俺は他の仲間と同じ法被を着て、同じうちわ、ペンライトを身につけた。


 そして、本物のクララちゃんを迎えた。

 一人目だ。中々の再現度だ。

 でも、本物と似て少し違った。

 それでもいいんだ!! 彼女が俺の前に来てくれるているから!!


 そして、2人、3人……と俺の前に彼女が会いに来てくれた。


「では、今回、最後の魔法少女です!! では、みんなでクララちゃんを呼びましょう!! せーのっ!」

「『クララちゃーん!!」』

 最後のクララちゃんだ!! 俺は楽しみに待っていた。

 そして、現れる。すごい。本物だ!!


 でも、少し違和感があった。何処かで見たことあるぞ? あ!!


 彼女も俺の事をいち早く気づいたようだ。

 そして、お互いに自分たちの名前を頭に浮かべた。


(加藤くん……)(池口さん……)

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イチ押しの女の子が魔法少女だった件について 六月 @shimoshiro

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