7頁

「このねこがきてから、うちの娘は、あかるくなったんだ!」

女の子のおとうさんが、うれしそうにご近所中に、ねこの自慢をしました。


すると、そのうわさを聞いて、町中の悲しみをかかえた人々が、やってきました。


「どうりで神秘的な色をしていると思った」

町の人々は、口々にそう言いました。


ねこはと言うと……?


これには少し、まいってしまいました。

いくら悲しみを食べる、ねことは言え、こんなに、おおぜいの悲しみを食べるわけには、いきません。お腹が、はちきれてしまいます。

これじゃあ、ねこだって、自分の身が保ちません。



(ごめんね!)

ねこはそう告げると、この家をでてゆきました。


えっ?それから、悲しみを食べるねこが、どこに行ったか、ですって?

それは、ひみつひみつ♪

ひみつなんです、よ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る