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わたしはきょうも悲しみを食べる。
悲しみは……おいしくはない。
どんな味かと言われますと、これがもう、ほんとうに"悲しみの味"なんです。
ザラザラしていて、喉の奥にひっかかるような、心臓がギュッと、不安になるような、そんな味。
悲しみを食べるようになったのは、少し前。
飼い主の佐藤さんが、お仕事でつらい想いをして、泣いているときでした。
はじめは、なにか、黒いモヤのようなものが、佐藤さんにまとわりついていて、試しに食べてみたら、とても嫌な味がしました。
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