03 国家機密の新素材.
「フラックジャケット、って。わかりますか?」
「ふら、え、フライングジャケット?」
「フラックジャケットです。兵隊さんが、爆発とかから身体を守るために着る服なんですけど」
「え、せんそう?」
「はい。戦時用です」
「せんそう起こるの?」
「起こりません。いや、まあ、僕を中心に戦争が起こってるといえば起こってるか」
「あぶないひとだっ」
「まあ、とにかく、そのフラックジャケットに使う新素材の調達中に、一部が不正に横流しされまして」
「あっ。荷の横流し。違法です」
「そう。違法です。本来はフラックジャケットのテストと、あと官邸肝煎りの建築デザイナーに送る予定だったんですが」
「横流しされたんですか」
「はい。二袋ほど。なにせ国家機密の新素材なので、奪われるとかなりその、まずいわけです」
「横流し先は、その、かんく、さん?」
「鋭いですね。その通りです。管区にどうやら防衛省庁に楯突こうとしてるひとたちがいるらしくて、それも一緒になんとかしてこいって偉い人に言われたんですけど」
「反撃されて逃げたんだ」
「正解です。倉庫に隠してもらわなければ、あぶなかった」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます