異能の誤作動…呆気ない救出劇と扉の前にいた人物

「ゲーム買っても余るな。」

「いや、学生にあげるわけないだろ。」

「私にはくれるの?」

「誰がお前にやると言った?これは俺が出したんだから俺のもんだろう。」

「じゃあ1億出して豪遊したらどうだ?」

「俺みたいなものが急に豪遊したらおかしいだろ…宝くじ当てたのか強盗したのか疑われてしまう。」

「異能で出したなんて誰も信じなさそうだからな。」


華異斗の言う通り誰も異能で出したとか信じないだろう。


「このお金は俺が後で使うとして、もうすぐ21時だ。学生のお前は家に帰らないと親御さんが心配するだろう。今日は一時的にお開きにしないか?」

「でも、俺の姉は…。」

「また休みの日にでも俺のところ来いよ。そう簡単にお前の姉を救い出す事なんてできるか分からんしな。ここにお前の姉を呼ぶ事が出来れば難しくないんだが…。」


すると突然部屋中が光出した。


「な、なんだ?」

「誠我さん、今姉を救うと、ここに呼ぶとか言いませんでしたか?」

「言った…って事は…。」

「光り終えたら俺の姉がいるのか?」


光は収まった。すると目の前に傷だらけで囚人服みたいな服を着た女子高生ぐらいの女子が現れた。


「お、お姉ちゃん。」

「言っちゃ悪いと思うけど…。」

「呆気ないな。」

「俺も再開したら歓喜に震えると思ったけど、これ程呆気ないと反応に困るな。」

「まあ、お前の姉の傷を直したり、服装を変えたりとやること多いけどな。」

「誠我さん、それを命令口調で言ってみて?」

「こうか?お前の姉の傷を治せ、服装を今どきの服にしろ。」


すると、気絶していた華異斗の姉がまた光出した。そして誠我自身も光出した。


「なんで俺光ってんの?」

「お前が、今どきの服にしろと言った時、誰とは言わなかったからだろ。」

「そんなの前文で読み取れよ。」

「有言実行は多分生きてないからだよ。」


光が収まると、華異斗の姉の傷は完治し、俺の服は今どきの若者カジュアルになっていた。


「なんでこんなことに…。」

「その服かっこいいですよ?」

「言い直せば?」

「そうだな。俺の服をさっき着ていた服にしろ、華異斗の姉の服を今どきの服にしろ、これでどうだ?」


するとまた光出した。光が収まると、誠我の服はさっき着ていた服に変わって、華異斗の姉、瑠衣奈の服は今どきの若者女子ファッションになっていた。


「よし、大成功。にしてもお前の姉起きないな。」

「起きろと命じれば?」

「お前の姉すぐに起きろとか可哀想…言ってしまったじゃないか。」

「俺のせいにすんな。」


すると突然、瑠衣奈は目を覚ました。


「こ、ここは?」

「もう大丈夫だ瑠衣奈。」

「呼び捨てかよ。」

「お姉ちゃんとは言い難い年頃なんだよ。」

「…瑠衣奈お姉ちゃん…。」

「言えるじゃねぇか。」


起きたばかりの瑠衣奈の前でちょっとしたコントみたいな事が起きていた。


「華異斗…初めてお姉ちゃんって呼んでくれて嬉しいよ…」

「…お前のせいだ…。」

「姉弟は仲良くないとな。俺一人っ子だけどさ。」


そんな姉弟みずいらずの団欒の時、またインターホンが鳴った。


「ハイハイ、どちら様ですか?」


俺はドアに向かいドアの覗き穴から覗き込む。外には見知らぬ女性がたっていた。俺はドアを開けた。


「誰?」

「あなたが誠我さん?私は花の目覚めボス紅蘭々ちゃんだよ。」

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