ゴミ箱
それは深夜まで起きていた時のことだった。
「ん…」
ついうとうとしてしまったので、もう寝ようと布団に潜りこむ。
時計を見ると、もう深夜の三時だった。
うわ、丑三つ時じゃん。
泣くこも黙る丑三つ時じゃん。
だから部屋が暗かったのかと納得。
そのまま布団をきて寝ようとしたその時。
かさかさかさ…
ひどく聞き慣れない音がした。
「?」
いや、正しくは聞き慣れない音なんかじゃなくて、日常的にごくたまに聞くことのある音。
そう、まるでナイロン袋かなにかをカサカサ鳴らしているみたいな…。
そう思いながら寝返りを打とうとして、そこでぴたりと動きを止める。
ゴミ箱の中に入れた袋が動いていた。
ただ、私が寝返りを打とうとしたことに気付いてか、今はかさりとも動かない。
ゴミ箱と見つめ合うこと数分。
「…幻覚かもしれないなこr」
かさかさかさ…
「いやセリフ最後まで言わせろよもうちょっとだろ」
深夜テンションでツッコミを入れる。
微妙にズレているのはあしからず。
まだカサカサ音が鳴り止まないどころか大きくなっているので、容赦なくゴミ箱の中に手を突っ込む。
真っ白い手が出てきた。
手首までのそれはきょろきょろと周りを見ると、押し入れの隙間にすっと入っていった。
幻覚だと自己催眠をかけてから寝た。
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