赤い靴
授業中。
いつものごとく眠たさに負けて寝ようとしていた私は机の間を変なものが歩いているのを見た。
またか。
そう思って別段気に留めてはいなかったのだけれども。
なんかめちゃくちゃ目に入る。
それはそうだろう。
だってそれは真っ赤だから。
血のように真っ赤な赤いハイヒールが歩いていた。
足首より上は視えない。
…いや視えてもイヤなんだけど。
それがトコトコと机の間を行ったり来たりしている。
正直言って、鬱陶しい。
と、私の隣にきて周りを歩き始めた。
思わず舌打ちする。
眠たいのに寝れないからイライラしているのだ。
「最悪…ほんとやだ…」
すると、それに気付いたのか気まぐれなのか、ハイヒールは宙に溶けるように消えていった。
私、完全勝利である(?)。
そのまま私は何事もなく寝たのだが、後から聞いた話によるとそのハイヒールは昔自殺した先生のモノらしい。
そんな先生に啖呵切ったのすごいねあんた、と友達に褒め言葉らしくない褒め言葉を貰った。
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