もふもふ
もしかすると、幽霊は夜より朝の方が好きなのかもしれない。
昨日も一時間目から授業だった。
退屈で、だんだんと先生の声がノイズを帯びてお経に聞こえてくる。
あー、ダメだ。
死ぬほど眠たい。
あ、目の前に宇宙人が見えるよ(幻覚)。
ぽやっとして意識が遠のいたその時。
さわさわ。
「っ」
小さく悲鳴をあげる。
足になにかふんわりしたモノが触った。
恐る恐る下を見てみると、両手サイズのもふもふしたやつが蹲ってた。
なんじゃこれ。
でもめっちゃ気持ちいい。
やばい、眠たさ三倍増しだ。
そのまま、私は抗えない睡魔に落ちていった。
気がつくともう休み時間も中程だった。
「ウソでしょ!?」
友達が見るに見かねて、優しい瞳で私に言う。
「あんためっちゃすやすや気持ちよさそうに寝てるから起こさないでおこうってなったんだよ」
いやそこは力ずくでも起こしてくれたまえ友よ。
慌てて消されつつある黒板のノートを取る。
もしかしたらあのもふもふは、人を抗えぬ睡魔に蹴落として時間を対価にする、悪魔の使いかなにかなのかもしれない。
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