ツンデレ

学校で授業を受けていた。

とても眠たい。

ふわぁっとあくびをすると、それを見ていた先生にニヤニヤしながら当てられた。

最悪だ。

慌てて教科書の中に載っているであろう答えを血眼になって探す。

「ではここを答えてください」

「えっと、」

答えを見つけて、教科書から視線をあげた。


私の視界をが横切った。


うわお。

ぴたり、と私の声が途切れる。

決してビビった訳ではない。

「?合ってますよ、続けてください?」

素知らぬ顔をして残りの答えを言う。

終わって、教科書に視線を戻した。


『きづきなさいよばか』


立派な丸文字でそう書かれていた。

私の後ろからじっと見つめる視線を感じる。

幽霊も現代になったんだなぁ、と思った瞬間だった。

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