変な夢を見る時、私は大抵夢の中で意識がある。

幽体離脱をしている感覚でその夢を見ているのだ。

それが普通の夢や楽しい夢ならいいが、悪夢や正夢だとたまったものではない。


その日も深夜三時くらいに寝ていたら夢をみた。

真っ暗な部屋で私自身が寝ている。

その足元の裏側に繋がる窓から、にゅるりとが侵入してきた。

それは気持ちよく寝ている私の上でになっていく。

あ、あれやばいやつだ。

そう思った瞬間だった。


、と私の足が真上に力強く上がった。


それは影を突き破った。

ぐっと痛そうに曲がってそのまま霧散する影。

うめき声が聞こえてきそうなくらい、強い足蹴りだった。


次の日の朝。

布団の上で起きた私はなんかとても申し訳なくなった。

が、勝手に侵入はいってきたのはあっちだし、五分五分だな、と二度寝を決め込んだのだった。

ちなみにその後、一回もソレは夢に出てこない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る