またまた夜中に皿洗いをしていた時。


偶然、泡が窓に飛んだ。

「あー…」

やっちったな、と拭おうと手を伸ばす。


!!


「ひぇい」

変な悲鳴を上げてしまった。

視線の先に虫。


だ。


一羽の蛾が止まっている。


色は真っ黒でとても禍々しい。

羽の模様が目を思わせてとても気持ち悪かった。

しかもデカい。

手の平サイズくらいはありそうだ。

そいつはがんがん窓にぶつかって、そのまま飛び去った。


その日の夜。

夢にそいつを見た。

ひらひらと目の前を飛んでるのを追いかける。

もうちょっとで捕まえれるなぁ、と思ったその時。


キィィィ、バンッ、ドシャ!!


なぜか地面に寝転がっている。

周りが紅い。


事故に遭っていた。


痛くて痛くて堪らない。

うめき声をあげながら薄れる視界で上を見る。

私を見下ろすように、ひらひらと真っ黒い蛾が飛んでいた。


そいつの羽模様の目がいた。

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