第37話

 結局のところ僕達の失踪事件と言うのは少年達が頬を真っ赤にはらして、突然終わりを告げた。それは本当に少年たちの無謀な旅の終わりにふさわしい光景と言うものだった。

(事件はここで終わり・・)

 僕はチップスを取ろうと手を皿に伸ばした。

 だからここで本来ならば小説を終わらせなければならないのだけど、そう思いながら僕はチップスを口に含んだ。

 窓から風が入り、雲が流れてゆく。舐めたチップスの塩味が僕の舌を流れて消えた。

(妹はこの事件の結末を知りたいと言っていた)

 再びチップスに手を遣って口に含むと、僕はパソコンのキーボードを叩いて再び文字を打ち込んだ。


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