第3話 悪魔の不幸

 なんだこの状況は、、、

 私たち光導隊が到着する頃には学校が壊れ死体が散乱していた。

 悪魔の雄叫びと一緒に地面が揺れる。

 この悪魔はそう強くはなさそうだ。

 私達が攻撃に移ろうとした。

 その時に

 

 一匹の悪魔が崩れた学校から出てきた。

 もう一匹悪魔がいたことに驚いた私達は二手に分かれて相手をしようとした。

 悪魔を殺しに私の部隊の二人が学校から出てきた悪魔に向かい、あまりの私たちは雄叫びを上げている悪魔の方に向かった。 

 だが学校から出てきた悪魔は異質だった。 

 どこか違和感を感じていた。

 人間に似ている悪魔はたくさんいるがこの悪魔は、人間が悪魔に取り憑かれたと思うぐらい自然的な悪魔ではなかった。どこか異質。人間ではないのはわかるが、悪魔なのかは少しわからなかった。

 異質な悪魔は二人の攻撃を喰らった。血が吹き出し、再生するために黒紫の煙を出したんだ。だが違ったんだ。その黒紫の煙を攻撃に使ったんだ。

 再生はしなかったんだ。

 そしてその攻撃は

 

 

 もう一匹の悪魔に対してだった。

 

 

 私たちは目を疑ったよ。

 悪魔が悪魔に攻撃をする。

 聞いたことのない例だからね。

 そして異質な悪魔は、悪魔に向かって走り出したんだ。

 とてつもないスピードでね。

 二人は止める事ができなかったよ。

 そして私は隊員を連れて少し離れたよ。

 そして何が起こるかを見届けた。

 まず異質な悪魔は悪魔の腕を引きちぎったよ。

 悪魔も反撃しようとしたけど異質な悪魔は悪魔に馬乗りになって悪魔の顔や体を引きちぎり始めたんだ。それがずっと続いたよ。

 バラバラにし続け肉片も残らないように暴れ始めた。そして殺した悪魔を見た異質な悪魔は



      泣いていたよ。

 

 

 とてつもなく不気味だった。

 悪魔はこんな攻撃の仕方をしない。

 いや人間でもこんな攻撃の仕方をしない。

 握力で全てを引きちぎったんだ。

 悪魔の苦しんでる声をエネルギーにしていると思うぐらいにね。

 

 そして悪魔を倒したら奴は空を見上げて立っていた。

 そしてどんどん体から黒紫の煙が出てきた。

 奴の身体が少しずつ無くなっていき黒紫の煙で奴の体は見えなくなった。

 そして煙がなくなり見てみると、目から涙を流しながら立っている君がいたんだ。慎吾君








 「はい嘘ーーーーーーー」

 「いや、本当だよ」

 「証拠は?」

 「ないよ」

 「なら嘘じゃーん」

 信じられなかった。

 いや、信じたくなかったんだ。

 自分が一番知っている。

 死んだ記憶は今でも残っている。

 顔を殴られ、蹴られ、血が今まで経験したことのない量が出てきた。

 




        痛い

 

 


 よく漫画やアニメで腕がちぎられたり血が吹き出しても顔を変えずに戦ったり再生している。

 あいつらには痛覚がないのか?

 あの痛いは、今まで感じてきた物とはかけ離れていた。

 俺が腕をちぎられたら絶対に発狂死する。

 あんな体験二度とごめんだ

 守る物も好きな女もいなくなった。

 おばあちゃんと二人でのんびり過ごしていこう。

 「俺はでる」

 「だから言ったろ?君は

       奴隷

  なんだ。私たちの言うことは聞いてもらはなくては」

 「聞きたかねーよ」

 「威勢がいいね」

 「威勢しかない物で」 

 「わかった」

 そう言ったおじさんはポケットから写真を出した。

 「こいつらがどうなってもいいのか?」

 そう言って出してきた写真に写っていたのはばあちゃんだった。

 「は?」

 「少し君を調べてね。どうせ言うこと聞かないってのは予想はしていたんだよ」 

 「何『予想していたんだよ』だ。俺とばあちゃんは関係ねーだろ!!」

 「早く決めろ!!!奴隷になるかばあちゃんを殺され一人てこの一生をすごすか!!」

 わぁーーーお、、、怒った、、なんで?

 俺なんか悪いことした?なんでこうなるの?

 「奴隷になります」

 「わかった。じゃあ、よろしくね風慎吾君」

 じいさんは手を伸ばしてくる

 俺は手錠を破壊して握手を無視し牢屋から出ていった。

 「トイレ連れてってくれないか?」

 「真っ直ぐ行って右に進んだらあるよ」

 俺は礼も言わずにトイレに向かう。

 ふとしょんべんをしながら思う。

 俺が今まで見た本の中で死んで生き返ったら最強みたいなのいっぱいあったのに、死んでもブサイクのままだし、てか転生してないし、奴隷になってるし、てか死ぬ前の方が良くなかった?

 もういや帰りたい。

 


 

 

  

 


 

 

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