Happy End+
QAZ
▶LOAD:梵くんの心臓
わたしの右手には
暗黒の日々の始まりの日、わたしは親を喰い殺されて命辛辛逃げ延びた。この街をなんとか出て、遠くの田舎まで一時は逃げ隠れ…それもヤツらに追い立てられて、仲間たちも皆喰われていった。そんな日々の中で、不思議な力を持つ仲間たちに助けられ、私自身も少しずつ強くなり、人々を助け歩く長い旅路の末、多くの犠牲を払いながら彼の下に辿り着いたのだった。
そして今、彼は目の前で倒れて、黒い炎に包まれて消えて行く。ああ…これで…これでほんとうに終わりなんだ…。全てが終わる…この物語のエンディングが始まるのね…。最後の燃え滓が宙に飛んで消えた後、静寂だけが残されて、わたしは強烈な脱力感に襲われる。これで、わたしの物語は終わったんだ。世界は、ハッピーエンドを迎えたんだ。わたしも床に倒れこむ。疲れ切っていて、瞼を閉じると景色が暗転する。薄れゆく意識の中、ふいに、頭の中に何かの声が流れ込んできた。
…よく頑張りましたね。これで世界に永遠の平和が訪れることでしょう。あなたも、さぞかし疲れたでしょう。今はしばし休み、平和な世界に帰るのです…。
…めでたし、めでたし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます