第64話 怪しいホクロのチェックレポート⑧

「ホクロが大きくなっている、新しいホクロもあるので皮膚がんではないか調べたい。」


挨拶をした後、その先生は受付票に書いた私のコメントを読みました。


「そうなんです・・・」


深刻に私は答えました。


「家族や親戚の方とか、皮膚がんだった方とかいるんですか?」


「いいえ・・・(そういえば聞いたことはないかも・・・?)」


では見てみましょう、と先生はおっしゃって、噂のなんとかスコープで私のホクロを見てくれました。


「この腕のホクロが大きくなっていて・・・一番気になっているんです。」


そのように訴えつつ見てもらいましたが、


「うん・・・これは大丈夫だと思いますよ。」


一番怪しんでいたぞうさんの片目は、なんと大丈夫な模様です。


「あと、ここに新しいっぽいホクロがあるんです。」


「うん・・・これも全然大丈夫。」


なんとかスコープを覗きながら先生は答えます。


「ここのホクロも大きめで・・・」


「うん、これは一番大丈夫。」


「背中にも・・・」


「はい、これも大丈夫です。」


「あと、お尻もなんですけど・・・💦 大きめで盛り上がっているっぽいんですけど・・・」


「あ~、ちょっと立体的になっているんですね。でも大丈夫ですね。」


と次々になんとかスコープでチェックしながら先生は答えてくれました。


さて、怪しんでいたホクロはさほど怪しくなかったのは何よりですが、胸の内は複雑でした。


・・・なんか、全然大丈夫だったっぽい・・・?なんでもないのに病院に来て、お尻を出しちゃったってことなの・・・?(心の叫び)


「でも絶対とは言えないので、どうしても気になる場合はホクロを切って検査することもできますので。」


そのように告げられましたが、


「いえ・・・もしもまたホクロが大きくなったりしたら、また見てもらいます・・・」


いろんな恥ずかしさに苛まれつつ、なんとか答えました。


病院の費用は千円ちょっとで、何か月も気になっていたホクロも大丈夫そうなので安心しましたが・・・恥ずかしいプレイを満喫でした・・・皮膚科も混んでいて先生もお忙しいでしょうに・・・その日、一番どうでもいい患者さんだったことでしょう。


マイちゃんに微熱があったのはなにかの思し召しだと思ったのに・・・?


はっ、もしや、みかんの缶詰・・・?


皮膚科を後にし、近くのスーパーに寄ってみかんの缶詰を買って帰りました。ふんぱつして、高価な国産のにしましたよ♬


マイちゃんはその日、無事にみかんの缶詰を食べることができました。めでたし、めでたし・・・(おしまい)

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